はじめまして。monopoというグローバルクリエイティブエージェンシーのデザイナー/アートディレクターの見目 (Kenmoku) です。

今回は、freeeさんと共同で制作した、「スモールビジネス映画祭 2020」特設サイトの制作プロセスをまとめてみたいと思います。

スモールビジネス映画祭2020のキービジュアル

概要 freeeさんが主催する、オンライン参加型の映画祭「スモールビジネス映画祭」の特設サイトの、キービジュアルからサイト全体の制作・進行を担当しました。

期間 最初の打ち合わせから実装、リリースまで約3ヶ月

メンバー構成 以下のようなメンバー構成で主に企画・制作を進めました。freee brand studioの浅井さん (ブランドプロデューサー) を中心に、多くのステークホルダーの皆様のお力があり完成したサイトです。

・ブランドプロデューサー 1名 (freee brand studio) ・ブランドマネージャー 1名 (freee brand studio) ・クリエイティブディレクター/アートディレクター 各1名 (freee) ・ライター 1名 (freee) ・デザイナー 1名 (monopo) ・イラストレーター 1名 (monopo) ・エンジニア 1名 (partner)

初回ミーティング(オリエン)に使われた資料

freee brand studioブランドプロデューサー浅井さんとの初回ミーティング (オリエン) で、企画の概要や実現したいことについて、すり合わせる時間を取っていただきました。 浅井さんからは今回の企画の背景にあるfreeeのミッションや、映画祭を通して起こしたい行動変容などを事細かに話してくださいました。

freeeのミッションである「スモールビジネスを、世界の主役に。」を実現すること、映画祭をとおして、スモールビジネスのストーリーを体験してもらい、参加してくれた方の新しい生き方や考え方を後押しできるような企画にすることが今回のWebサイト制作のあらましです。

一番最初の企画資料 (ブリーフィング) はこのようなものでした。

コンセプトや世界観の案まで出してくださり、初回の打ち合わせとは思えないほど密度が高く、制作イメージがわきやすかったことを覚えています。

スモールビジネス映画祭2020の映画コンセプト
キービジュアル案

オリエン (初回ミーティング) でいただいたイメージを、次のミーティングのタイミングまでに具体化、複数のキービジュアル案を持っていきます。

「ワクワク感」「新たな可能性」「ムーブメント型で人が集まって一緒に形作る様子」「お祭り感、フェス感」など、浅井さんからうかがっていたキーワードを盛り込んだキービジュアル案を1週間で作成。

オリエンでいただいたイメージから作成した2つのキービジュアル案
2パターンのキービジュアル

打ち合わせの結果、映画祭を通した気づきの広がりやムーブメントを独自性のある表現で制作しパターンA (上) の方向性で進めていくことに。

キービジュアルの方向性が決まった後は、キービジュアルのアップデートと、Webサイトのデザインを進めていきました。 このとき、非常に進めやすかったのがブランドプロデューサー浅井さんはじめ、freeeの方々のレビューが非常に的確だったことです。

世界観やキービジュアルに関しては、なかなか言語化して議論をしづらい部分もあり、どうしても「なんとなく好き」といったような、感覚的な言葉が出てしまうこともままあります。

しかし、今回は浅井さんをはじめ、クリエイティブに対する姿勢が一貫して「ユーザーにとって価値のある表現か」「会社のメッセージとして正しいのか」の目線で議論してくださり、ブレることなくスムーズに進みました。

完成した Webサイトのデザイン

いくつかのやり取りを経て、キービジュアル、Webサイトのデザインが完成し、コンセプトの言葉もブリーフ時のものからアップデートした形になりました。

freee側のブレない部分はもちろん、柔軟にコピーまで変えていく姿勢は本当に素敵だなと感じました。

今回はデザイナーではない立場の人が、依頼主と制作者の間を取り持ってコミュニケーションをするような形式ではなく、デザイナーの私自身が直接プロデューサーの浅井さんなど、freee側の皆様とやりとりしながら製作を進行いたしました。

そのため、コンテンツ部分の文章が想定よりも長かったり、情報の形式によってデザイン側の調整が必要だった場合に、スピード感を落とす事なく制作を進める事ができました。 その他にも、追加で入れたい情報をご相談いただいた際、すぐに解決策を提示する事ができたりなど、肩書きを横断する事でのメリットが多かったように感じます。

最も綿密にコミュニケーションをとった浅井さんからは、 常に我々制作陣のモチベーションとなるような情熱と主体性を感じ、 最後まで楽しく制作を進める事が出来ました。

自分の担当範囲を肩書きで萎縮させず、幅広い立場に身を置くことは、 自分の制作してるデザインが一体誰のためのモノなのか、 誰の思いによって実現しているプロジェクトなのかを知る機会になります。

それはデザイン及び仕事の意義に繋がる部分でもあると感じていて、 これからも大事にしていきたいポイントです。 最後まで見ていただき、ありがとうございました。

スモールビジネス映画祭 https://www.freee.co.jp/event/filmfes2020/