こんにちは、ビザスクのデザイナー 長岡ふみです。
今回は「ビザスクliteのアドバイザー検索機能のリニューアル」を例に、ビザスク流のユーザーインタビューを活用したデザインプロセスについてお話していきたいと思います。
ビザスクliteを活用したインタビューの候補者探しなど、ビザスクらしいインタビューの進め方を公開していくので、ユーザーインタビューをデザインプロセスに取り入れたい方はぜひご覧ください!
今回私が取り組んだプロジェクトは、様々な専門家に1時間のスポットコンサルを行ってもらえる「ビザスクlite」の「アドバイザー検索機能」のリニューアルです。
他の機能の改善に追われ数年着手できていなかった部分でしたが、ユーザーからのお問い合わせも多く、ついにリニューアルを実施することになりました。 検索には多くの課題がありましたが、どこが優先度が高い課題かが分からない状態からプロジェクトはスタートします。
まずは自分で手を動かしながら、80%くらいの完成度のデザイン案を作ってみます。
検索機能ということで最初は「より絞り込みやすくなる機能」をつくると良いのでは?と思っていたのですが、実際に形になっていくことで「思ったより要らなくないか?」という疑問が湧いてきます。 まずは手を動かして形にしてみることで仮説が出しやすくなります。
デザイン案を作りながら、迷っているポイント(今回で言うと「絞り込み機能って要るのか?」など) をfigmaにメモとして残しておき、プロジェクトを進めるチームのみんなに聞いてみます。
この時チームの中で結論が出ることもありますが、今回はチームの中でも明確には方向性がまとまりませんでした。 「社内でわからないことは、ユーザーに聞いてみた方が早いよね」ということで、チーム内で相談してユーザーインタビューを行うことにしました。 (ちなみにビザスクでは、ビザスクを使ってスポットコンサルするための予算を全チームが持っていて、「インタビューやった方がいいよね」というカルチャーができています。)
インタビューを行うと決めた翌日、すぐにビザスクliteに公募案件を作成してアドバイザーの募集を行いました。
今回はビザスクliteの「アドバイザー検索機能」を実際に使っている人を探したかったので、ビザスク上で募集するのが効率的だと考えました。
繋がりがない中で条件に合うヒアリング対象を探したいときは、国内外あわせて40万人以上がアドバイザーとして登録するビザスクを使って対象者を集めるのが効果的です。
募集条件に合いそうな方に対して告知メールが送られるようにもなっているので、相性の良い方がスムーズに集まりやすい特徴があります。
今回は数日間で10人以上の方から提案が届きました。
ユーザーインタビューは4名の方に実施しました。
課題がどこにあるか曖昧な状況だったので、あらかじめ作ってあったデザインは見せずに普段のビザスクliteの使い方を中心にお話を伺っていきました。
デザインを見せてしまうとそのデザインに引っ張られて「良いね」という話になりやすいので、ユーザー自身の話を聞きたい時はそのようなやり方をとっています。
ヒアリングの準備として、事前に現状の課題・求められている機能の仮説を出して質問事項に置き換えておきます。
インタビューは1人あたり30〜50分程度行いました。 細かいTipsですが、ヒアリング中にたくさん話してもらうために、おおよその質問事項は事前に共有しています。ヒアリング中はGoogleドキュメントで作成した議事録の画面を共有して編集しながら話していくと、インタビュイーの方もお話がしやすくなるのでおすすめです。
インタビューをしてみて、元々予想していた「絞り込みがしづらいこと」よりも、「検索結果に情報があまり表示されないので、依頼して良いものか判断がつかない」という課題が大きいことがわかりました。
なので、当初とは方向性を変えて「プロフィールの充実」や「プロフィール情報をより伝わりやすくする」というところを重視してリニューアルを行おうとしています。
インタビューの結果はプロジェクト以外にも活かせるようにチームに対して共有していきます。まずはユーザーから聞いた内容やインタビューのプロセスをesaにまとめます。
さらに、関連するチームの定例ミーティングを順に回っていき「どのような声があったのか」「どういう方法でインタビューを進めたのか」「プロダクトのどのあたりに課題が強いのか」を共有しました。 こうした取り組みによってユーザーの声をチームみんなが知っている状態になり、今後の合意がつくりやすくなります。
「1人で悩んでいるより聞いてしまった方が早い」というカルチャーを持つビザスクでは、当たり前にユーザーの声を聞きながらプロダクトをつくっています。
例えば、ビザスクでは目的に合わせてインタビュー対象や方法もいくつかを使い分けています。
今回のように課題が分からない時はユーザーインタビューを行います。商談やユーザー対応の際にBizサイドのメンバーから直接聞いてもらうこともあります。方向性が決まっている場合は、先にプロトタイプを作成してユーザーテストをするなど、様々な手法でのインタビューを適切なタイミングで取り入れています。
ユーザーの話を聞いてみると「言われてみればそうだよね」となることは多く、みんながユーザーの声を知っている状態になれば、合意も作りやすくなります。サッとインタビューしてスピーディーにデザインを作っていくということを、今後も続けていきたいと思います。