ビザスクデザインチームのhigashineです。

2022年4月に、新規事業であるビザスクnowを正式リリースしました。

今回は、ビザスクnowを正式リリースする前に一部のクライアントに向けて公開していたβ版での、アクティブにサービスを利用するユーザーの行動観察から、プロダクトの改善点を見つける方法をまとめます。

特に検証段階のサービスでは、ユーザーの要望はもちろんですが、それ以上にどのようにプロダクトが使われているか観察することで改善につなげられた事例として、参考になればと思います。

取り組みの結果として、β版の検証がうまく進み、正式版のリリースに繋がり、ユーザーからも「最近のビザスクnow改善がすごくよい。分かりやすくなっていて、また貢献したい」という声をもらえています。

ビザスクnowは、2022年4月に正式リリースされた、24時間以内に5名以上の有識者からテキストで回答を得られるQ&Aサービスです。

ビザスクnowのサービスイメージ

業界動向やビジネス事例に関する質問をサイト上から送ると、有識者5名以上から、原則24時間以内にリアルタイムで回答が届きます。

1件につき最大3問クイックに質問を作成でき、テキストベースの回答が返ってきてExcelでダウンロードすることもでき、さらに深掘りして質問がしたい場合には、回答者の中からビザスクinterviewを依頼できます。

2021年4月までに、α版としてスプレッドシートを使って簡易的なサービスを運用し、ユーザーのニーズの確認を終わらせていました。

その後、2021年4月から8月の期間でβ版を開発。2021年8月から2022年4月までの期間で、トライアル企業数社だけに限定的にサービスを公開し、プロダクトの仕様や要件の仮説が合っているかを検証していました。

2021年8月から2022年4月までの期間で、β版を運用

私を含めたプロジェクトチームは、実際のユーザーの要望や行動をもとにプロダクトの改善を繰り返していく必要がありました。

β版での改善は、アクティブにサービスを利用するユーザーの利用状況を観察しながら、使いづらい点を発見し、改善していく流れで進めました。

β版のリリース後の改善の流れ。ユーザーの行動を観察し、プロダクト改善に繋げる

具体的には、以下の方法で進めています。

  1. 想定外の行動を取っているアクティブユーザーを見つける
  2. ヒアリングで課題の深堀り
  3. リリース後も、改善した箇所を観察

β版リリース後は、プロダクトの改善点を発見するために、ユーザーのプロダクトの利用状況をひたすら確認し、アクティブなユーザーなのに、うまく使えておらず、想定外の行動が起こっている部分を探していきました。

想定外の行動: 質問に対して質問で回答している
想定外の行動: 文字数制限があるので*で埋められている。また、辞退機能には気づかなかったとわかる

具体的には、まず、ビザスクnowの質問に対する回答を見ながら、頻度高く利用している人が、想定外の行動をしていないかを見ています。

  • 3問への回答で極端に少ない文字数のものがあるか
  • 文章で答えにくい質問がありそうか(選択式や単位を決めた数値用のフォームがある方が良いか)
  • プロダクトに対する不満や、フィードバックを送ってくれていないか

一見プロダクトに不満があるようにも思えますが、アクティブだからこそ期待しているということだと捉えています。このような人を見つけたら、プロダクト内での行動をさらに深追いして、課題となっている部分を特定します。

例えば、上記の例では回答フォームより質問フォームを改善することで「質問の質」を上げることの方が、アドバイザーのUXを上げてより良い回答をしてもらえるようになるのではと考えました。そこで、質問フォームを「質問」と「回答例」に分けた方が良いではないかといった提案をしました。(こちら、最終的には、議論の結果、フォームを変えるのではなくご利用ガイドを充実させようということになったのですが)

想定外の行動を取っているアクティブユーザーを見つけたら、詳しい行動や、やりたかった行動を確認するために、すぐにヒアリングをお願いします。

アクティブなユーザーを見つけて、すぐにヒアリングを申し込み、行動ややりたかったことを確認

ヒアリングでは、プロダクト側で考えているプロダクト改善の仮説だけでなく、Biz側から確認したいユーザーが感じている価値などの質問もまじえて聞くようにしています。UIデザインで解決できそうなことがあれば、検討をはじめます。

ヒアリングで確認していた項目

改善施策を決定して、最小工数で実装した後は、FullStoryというユーザーのプロダクト上での行動を確認できるツールを使って、改善した部分のユーザー行動の変化があるか観察しています。

FullStoryを使い、改善した機能を利用するユーザーの行動が変化しているか、さらに改善すべき点がないか観察

ただ眺めているだけでは改善に繋がりづらいため、以下のようなポイントを中心に観察しています。

  • ブラウザや解像度など、どんなサイズ感で見ているか
  • どのくらいのスピードでページをスクロール&遷移しているか
  • 想定通りに入力フォームが使われているか

ユーザーが使っているリアルな環境や無意識な行動から、使いづらいポイントがないかを探っていきます。利用デバイスのサイズ感、JavaScriptが効かない状態で使っている、といった細かい所もわかったりします。(広告ブロックのプラグインが入っていそう?など)

そこで気になったものはSlackですぐに共有し、なぜこういう行動が起こったのかを議論していき「本当の課題は何か?」課題を明確化しています。

今回のフローを通して実際に改善されたUI改善の事例をいくつかまとめておきます。どれも感覚で改善を進めているのではなく、リリース→行動を観察→また改善・・・という地道な流れでユーザビリティを高めています。

前述の回答フォームから辞退するリンクで辞退できる機能のUI改善の様子

これらの改善フローを通して、ユーザーからも「最近の改善がとても良い」「また貢献したい」という声をもらうことができています。

要望を伝えてくれたアクティブユーザーから「使いやすくなった」という声

これらの改善を通して、2022年4月にビザスクnowは正式にリリースされました。

今回はとくにアドバイザー向けのプロダクト改善をご紹介していますが、クライアント向けのプロダクト、社内Bizメンバー向けの管理画面のUIデザインも同様に改善をしています。

今後も、より良いビジネス知見をマッチングするために、アドバイザー・クライアント・社内ユーザーの声を聞くのはもちろん、無意識の行動や声にならない感情もイメージしながら改善を繰り返していきたいと思います。

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