ビザスクでは、2023年1月にコーポレートブランドをリブランディングしました。
リブランディングの過程で、これまで単色だったコーポレートカラーが、3色を用いたコーポレートカラーへと変更されました。
その影響から、名刺やカルチャーブックなどの印刷物に対しても、新しいコーポレートカラーを反映していくことに取り組んでいます。
印刷物上のコーポレートカラーを、デジタル上のカラーに出来るだけ近づけていくために工夫した、特色を使った印刷プロセスについてまとめていきます。
もともと、ビザスクのリブランディングではデジタル上での表現が優先されていたため、印刷物に落とし込んだときのコーポレートカラーの反映については課題が残っていました。
このままCMYKで普通に印刷すると、カラーの見え方にブレが生まれてしまうことが明白だったため、印刷物においてもデジタル上での見え方にできるだけ近い表現をできるようにする必要がありました。
そのため、リブランディング後に新しく名刺を制作するタイミングで、印刷物上でコーポレートカラーを表現するための課題に取り組むことになりました。
サンプルを印刷して、課題を再確認
課題を改めて確認するために、まずは実際にサンプルを印刷して、チーム内で共有しました。
実際にデータ印刷会社にお願いしてサンプルを用意したことで、やはりカラーが出づらいことが改めて確認できたので、よりコーポレートカラーに近い表現を印刷物でもできるような方法を検証していきました。
ビザスクのコーポレートカラーは、通常の印刷で使われるCMYKだと表現ができないため、今回は特色を使った印刷を試みました。
特色を使うことのメリットは、通常の印刷では出せない色を再現できることです。その代わりに、インクの選定に工夫が必要であったり、費用が大きくなるリスクもあります。
今回ビザスクの名刺制作において、どのように特色を選定し、印刷物に反映したのかプロセスをまとめます。
まず、特色での印刷ができる印刷会社を選定します。いくつか印刷会社をリサーチして、細かなサポートもしてくれそうな印刷会社に依頼することに。
今回の名刺はCMYKを使った再現が難しいことを伝えて、極力色味をディスプレイカラーに近づけたいという旨を伝えつつ、依頼を行いました。
まずは印刷会社の方に、ビザスクのコーポレートカラーに近いカラーチップを用意していただきました。
PANTONEのカラーチップの中に、ビザスクのコーポレートカラーと近いものがあったため、それをベースに進めることとしました。
カラーチップを用意した上で、実際に印刷現場まで訪問して、細かなカラーの調整を行います。
出力の圧や、速度次第で、微妙に印刷物上ではカラーが変わるため、少しずつ調整しながら、カラーチップをもとに目視でビザスクカラーが出ているかどうかを確認しました。
また、特色を使用するコストをできるだけ抑えられるように、特色を使用するロゴ部分のみ印刷した名刺の型をあらかじめ複数作成しておき、名前や会社情報などはCMYKで印刷するようにしています。
結果、コーポレートカラーが反映された名刺を制作することができました。
さらに、今回適応したカラーチップを活用して、カルチャーブックや、パーカーなど、他の印刷物でも、コーポレートカラーにより近い表現ができるようになっています。
ビザスクカラーを印刷物にも適応できるカラーチップができたことで、毎回の制作場面でお守りのように使うようになっています。
今回、特殊なプロセスを取っていたため、今後の発注時にも使えるように、どのような部分に気をつけないといけないかをガイドラインとしてまとめました。
また、海外拠点でも同じようなプロセスで印刷業者を選定、特色での印刷を行えるように、英語での依頼方法や、ガイドラインもまとめました。
ビザスクの社内のメンバーからも、今回のプロセスを経て、意識として変化した部分について感想をもらったので、残しておきます。
ビザスクのようにオンラインでのサービス提供が多い事業会社でも、オフライン上で印刷表現するものは多くあります。例えば、展示会のブースや、名刺、ノベルティなど。
統一感のあるブランド訴求のためには、デジタル上だけではなく、オフラインの制作物上でもコーポレートカラーを反映することが重要だと思っています。
どの角度から見てもブランドが同じように認知されるように、今回のようにできるだけ印刷表現を工夫して、ビザスクカラーに近づけ、そのプロセスを今後も活用できるように可視化できたことは価値があることだと思っています。
今後も、さまざまなタッチポイントに関わるコミュニケーションデザイナーとして、デジタル以外の制作にもブランドを反映していけるように工夫していきます。