ウエディングパークが運営する『mieruupark』のデザイナー村上です。

『mieruupark』では現在、結婚式場へのニーズフィットが少しずつ見えてきたタイミングで、プロダクトのリニューアルを走らせています。

mieruupark

私は、このプロダクトリニューアルの方向性を決めていくために、「事業戦略とプロダクトリニューアルの位置付け」をストーリーで可視化することにチャレンジしました。

結果としてチームの合意が生まれ、現在はプロダクトリニューアルに向けて迷いなく動いている状態がつくれています。

事業戦略をストーリーで可視化し、プロダクトの役割を明確にした

ウエディングパークのデザイナーとして事業をどうリードしていくと良いのか。この問いに向き合った試行錯誤をまとめてみます。

今回のプロジェクトは、『mieruupark』のユーザー側プロダクトのリニューアルでした。

しかし、プロダクトリニューアルを動かそうとした最初の段階で、リニューアルの位置付けが事業的に不明確になっていることに気付きました。

経営層にヒアリングしていくと、事業として成長していくためには「導入社数増加」が大切な時期であることが分かりました。

しかし私は、プロダクトのリニューアルから社数が伸びるためのつながりが見えていませんでした。

事業として重視している指標と、プロダクトリニューアルがどう結びついているのかがわからない

このままプロダクトリニューアルを行っても「出せて良かった」という結果にしかならないと考えて、プロダクトリニューアルがどう事業成長に効いていくのかをまとめることから動き始めました。

そこで私が行ったのは、事業全体の理想的なストーリーからプロダクトの役割を整理してみるアプローチでした。

プロダクトリニューアルがどう事業成長につながるかを説明するためには、プロダクト視点だけでなく、ビジネスやマーケティング的な観点も合わせた「事業視点」で考える必要がありました。

具体的には、以下の2つのアプローチでチームの合意をつくっていきました。

はじめに、プロダクトリニューアルによって事業全体としての目標が達成されていくストーリーを考えました。

『mieruupark』の導入社数が増えていくためには、ターゲット企業の利用開始・成功事例が生まれる・営業を強めるなど、いくつもの方向があるはずです。

私はプロダクトリニューアルを進める立場から、リニューアルによって何が起こり、どう社数が増えていくのかを時間軸でまとめてみることにしました。

社数を増やしていくための方法の中で、プロダクトリニューアルから解決できるものを選ぶ

根本的にプロダクトリニューアルは、すでにmieruuparkを導入いただいてる既存クライアントに向けた施策です。

なので直接的に活かされるのは「既存クライアントのリピートが生まれる」という方向性。ただ、リピートによって成功事例が生まれると「営業をしやすく」なり、結果として「ターゲット企業の導入」も起こる、という連鎖も想像できます。

これらの要素を流れとして整理してみました。

さらにこの流れを、3ヶ月ごとのQの周期にまとめます。

今Qでプロダクトリニューアルを行うと、どの時期のどの指標に貢献できるのか。また、プロダクト以外でやるべきことはどのようなことがあるか。

といった視点で、事業全体のストーリーと関係者の動き方を整理しています。

ストーリーをQごとに分割し、関係者のアクションも可視化

ここまでまとめたタイミングで、開発責任者と営業責任者に対して、今回のプロダクトリニューアルで狙うことをすり合わせていきました。

結果、自然なストーリーに対して共感が生まれ、営業側もこの流れに沿って戦略を組み立てることになり、プロダクトとしても既存クライアントのリピートに注力することが合意できました。

Qをまたいだストーリーの合意ができたので、次に、プロダクトとして追いかけるユーザーゴールと指標を決めました。

ストーリーの可視化で止めずにここまでアウトプットするのは、「プロダクトから起こすべきユーザーの行動」をとにかく鮮明にしなければプロダクトリニューアルは動かせないと思っていたからです。

ゴールや指標の考え方のポイントとして「ストーリーに合うように決める」ことを意識しています。

ユーザーゴールを、ストーリーから逆算

定量的な指標を考える前に、ユーザーのゴールを整理します。プロダクトリニューアルの役割は「既存クライアントが満足してリピートしてもらえるようにする」ということ。

この状態に向けてプロダクトをリニューアルするために、「既存クライアントは、ユーザーにどう行動してもらいたいのか」という問いから考えることにしました。

ゴール設計のための考え方

既存クライアントにとって価値になる行動は「ユーザーが回答した情報が確実に共有されること」「式場見学時に費用に関する具体的な会話が起こること」でした。

既存クライアントにフォーカスするならば、この2つの価値をとにかく強めればよくて、逆にいうと他のことは優先度を下げるべきだと判断できました。

ゴール設計のイメージ

2つのユーザー行動をプロダクトに紐付けて指標を決めました。

指標の粒度としては「実際にその行動が増えていったとして、ユーザーとクライアントが両方喜ぶのか?」というところで見ていきました。

例えば指標の一つには「回答時の操作回数」を置いています。

結婚式場としては、ユーザーから具体的な費用の話をしてもらえることで、より適切にプランのご案内ができることを価値に感じていることが分かっていました。

「操作回数」が多くなるということは、ユーザーとしても検討を重ねて、具体的な会話をするための準備ができている状態になると仮定して指標としています。

このように、とにかく既存のクライアントの価値に直結するようなユーザー行動を決めて、それを指標に落とし込むようにしました。

プロダクトリニューアルはまだ進行中ですが、事業ストーリーを可視化したことで、すでにいくつもの組織的な変化が生まれています。

まずチーム全体として、役割分担が明確になりました。どの動きがどこに向けて貢献しているか、それぞれ何を任せ合っているのかがクリアになりコミュニケーションがしやすくなっています。

プロダクト的には、バージョンアップの方向性の判断軸ができました。例えばプロトタイプをユーザーに検証した時に「どちらも良さそう」という結果になっても、「指標的にはこちらがベスト」と迷わず選べるようになりました。

営業的には、クライアントとのコミュニケーションが取りやすくなりました。「この指標に向けてアップデートが予定されていて...」と話せるので、具体的な期待を持っていただくことができるようになっています。

ストーリーを整理したことによるいくつもの影響

私個人に対しても、信頼が増しています。プロダクトの責任者から「次のQのプロダクト戦略どうしよう?」とかなり手前の段階から戦略の相談をもらえるようになりました。

戦略についての相談をもらえるように

今回の取り組みで、「上流に入る」という言葉の理解がより深まったように思います。

これまで私は「上流=企画」と考えていました。ただ、それだけでなく「戦略や指標」なども動かすことができると、デザイナーの強みである体験設計が事業成果に直結するのだと気付きました。

共有された目標を「決まったもの」として無思考に捉えると、アウトプットが事業成果につながりきらない場合もあるはずです。

戦略や指標から考え、目標に対して腹落ちできると、デザイナーとしての幅が広がるのだなと確信できました。

もっと事業にコミットしていけるように、このような活動を強めていきます。mieruuparkのユーザー側のサービス改善はこれからさらに注力していくところなので、結果を出してまた事例を公開します。

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