パーソルキャリア株式会社 リサーチグループです!

日本の労働人口6700万人の方々が、普段から「はたらいて、笑う」ために、私たちは、一人ひとりに寄り添うような新規サービス創出に取り組んでいます。

今回は、転職サービス「doda」が蓄積してきた100万件の転職統計データを活用して、転職マーケットに即した求人要件が作成できる求人要件作成支援サービス『HR forecaster(エイチアール フォーキャスター)』のリサーチ事例を紹介します。

『HR forecaster』は、企業の求人要件作成をサポートするB to Bのサービスで、2021年11月に正式リリースされました。企業の方だけでなく、社内のリクルーティングアドバイザー(RA)も情報を共有しながら、ユーザーとして利用するサービスです。

この『HR forecaster』プロジェクトの特徴的なところは、私たちのようなリサーチを専門とするグループがあるのに「デザイナー」が積極的にリサーチに取り組んでいるところです!

私たちUXリサーチグループは、ただの調査実行部隊ではなく、ユーザーそして「チーム」にとって最善の方法を考え、それを実現していくことを意識しています。

HR forecasterに関わるデザイナー全員が、「自分たちが作ったデザインの質を担保するためにも、ユーザー視点を取り入れたデザインができるようになりたい」という強い想いを持っていたため、デザイナーの調査設計・実査にリサーチャーが併走するかたちを取りました!

担当デザイナーの1人がモデレーター(司会)を行ったときの様子

実際にデザイナーがリサーチに挑戦してみて、どうだったのでしょうか?

インタビューのモデレーター(司会)を担当したデザイナーによると、
「想像のみで作ったデザインの場合、本当に予想通り使ってくれるのかイマイチ自信がありませんでした。リサーチグループのサポートで実際にモデレーターとして直接ユーザーの行動を観たことで、デザインの優先順位に自信が持てるようになりました!」

と意見をもらっています!!

例えば、『HR forecaster』が提供する情報の1つ「平均年収レンジ」は、多くのユーザーが優先して見たいと言っていたり、探していて見つけられなかった様子も観察できたため、目立つところに配置し直しました。

プロジェクト内で対話しながら、リサーチを元にデザインを改修。

『HR forecaster』は、社内外で使われるサービスのため、社内に普段から利用しているユーザー(リクルーティングアドバイザー(RA))が居るということも特徴的です。

ユーザー視点を取り入れながら開発を進めていくため、定期的に社内ユーザーへのリサーチを行っていくことが議題に上がりました。

このときリサーチャーが提案したのは、リサーチではなく「座談会」です。

社内のリクルーティングアドバイザー(RA)という専門職の方の、ジョブやコンテキストに加えて、人となりやチーム状況まで理解する必要があるため、チーム同士の距離が縮まり、リラックスして話せる方法を選択しました。

同じ社内でもデザイナーやリサーチャーとは、使っているパソコンも違っていたりしますし、『HR forecaster』が出した結果を法人のお客様と一緒に見ている方も居れば、自身の判断材料の1つとして使っているなどの話も聞くことができました。

座談会で社内ユーザーの普段の業務やシステムの使い方などを聞き、デザインに反映(開発中)。

必要に応じて、UXリサーチャーは座談会のファシリテーションも務めることが多いですが、自分たちでユーザー視点を取り入れるのがHR forecasterのデザイナー
今回の座談会も、モデレーター(司会)はデザイナーで行っています。

このように、社内ユーザーを起点として、普段の業務で持っている課題などが吸い上げられるような体制も作り上げました。

例えば、リサーチャーと相談のもと、座談会で明らかにすること、リサーチで明らかにすることなどを1つずつ分類していきました。

ユーザー課題に対するアプローチ方法。リサーチャーとデザイナーが協業して作成。

『HR forecaster』のプロジェクトでは、デザイナー主導でリサーチを行うことも多く、リサーチャーの関わり方は、実現のためのサポート。

社内受託のような関係ではなく、プロとして適切な場面では頼りあえる関係が築けています。

私たちUXリサーチグループは、これからも闇雲にリサーチを行うのではなく、チーム全体のスキルアップやプロジェクト進行状況に応じて、ユーザー視点を提供し続けられるチームでありたいと考えています。

UXリサーチャーってなにやっているの?と言われることもありますが、今後も仕事内容や動き方を発信していこうと思いますので、ぜひチェックしてみてください!

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