「エンターテインメントで日常をより楽しく、素晴らしく」をミッションに掲げ、スマホゲームを主軸に多彩なエンターテインメント事業を展開するコロプラ。
私たちコーポレートデザイン部は、2025年4月に公開されたコロプラのオウンドメディア『ピンマーク』の立ち上げを推進しました。
https://pinmark.colopl.co.jp/
オウンドメディア立ち上げの背景には、ものづくりの文化を対外的に発信することに対して、実は内向きだったコロプラを外向きに変えていく。そのための外部発信の型を一気に生み出していく契機としたいという狙いがありました。
今回は、なぜ今コロプラでオウンドメディアを立ち上げることにしたのか、どのようなプロセスで進めていったのかをまとめたいと思います。
オウンドメディア立ち上げの企画が始まったのは、2025年1月中旬のことです。その背景には、コロプラにおける情報発信のあり方を、今後さらに強化していく余地があると感じていたことがありました。
コロプラは2008年の創業以来、最新テクノロジーを駆使した高い技術力と、エンタメ領域を中心に“新たな体験”を生み出す力を培ってきました。ただ、そのような取り組みやものづくりの文化が、社外にはまだ伝わりきっていない側面もあると感じていました。
そうした中で、コーポレートデザイン部としては、広報やブランディングの重要性について経営層と対話を重ねながら、外部への発信をこれまで以上に強化していく方針を共有し、動き始めたのです。
一方、社内向けには、Web社内報「コロピープル」や動画コンテンツ「ColoTube」などの独自チャネルを通じて情報発信を行い、コミュニケーションの活性化を図ってきました。
これらのチャネルを通じて、最新の技術活用の裏側や、ものづくりを支える人・文化について、記事だけでなく動画も活用しながら、積極的に社内公開してきた資産があったのです。
また、コロプラとして掲げる中期経営方針の実現や今後のグローバル展開を見据えて、ブランディングや情報発信をより強化していきたいという背景もありました。
そこで、コロプラのものづくりにかける熱量や現在の取り組みをありのままに伝え、共感や期待感を持ってくれる人を増やしていきたい。
さらには、外部発信へのハードルを下げ、社内に発信を積極的に行う文化を根付かせることを、スピード感を持って推進していきたい。
こうした背景を踏まえ、その手段の一つとしてオウンドメディアの立ち上げを決定しました。
オウンドメディアの立ち上げを決定したのは1月中旬。そこから、4月1日の公開を目標に掲げ、約2ヶ月という短期間で企画・デザイン・実装を進めていくことになります。
しかし、世の中にはすでに無数のオウンドメディアが存在し、単にそれらしいメディアサイトを公開するだけでは、印象に残らず、埋もれてしまうことは明白でした。
だからこそ、スピード感を維持しながらも、コロプラらしさを存分に反映したオウンドメディアを構築することが不可欠だと考えました。
ここからは、オウンドメディアサイトの具体的な制作プロセスについてまとめます。
まず着手したのは、オウンドメディアの対象となるユーザー層へのリサーチです。
リサーチを通じて、ユーザーがオウンドメディアに求めることや利用環境を把握し、それらを踏まえてサイト設計を行うという、人間中心設計(HCD: Human-Centered Design)に則ったプロセスを取り入れました。
短期間で進める必要があった中で、このようなプロセスを取り入れたのは、数多く存在するオウンドメディアの中で差別化を図ること、そして機能性を高めることを重視したためです。
まずは、オウンドメディアの対象となるステークホルダー(コロプラへの就職/転職検討者、既存社員など)を整理し、アンケート調査を実施することにしました。
今回は、特に就職/転職検討者・既存社員への理解を深めることに焦点を当て、アンケートを実施しています。質問項目は、例えば以下のような観点から設定しています。
年齢や職種、興味関心といった基本情報
就職・転職活動中に参考にしたメディアや情報
コロプラを選んだ理由に関する問い
オウンドメディアに求める情報やデザイン
オウンドメディアを閲覧するシーンや環境
さらに、アンケート収集後、印象的な回答をしていた方には追加でインタビューも実施しました。
アンケートやインタビューで得られた回答は、スプレッドシート上に可視化したうえで、KJ法を用いて分析を行いました。
さらに、そこから属性ごとの共通項を抽出し、代表的なユーザー像としてペルソナを作成。このペルソナは、サイトデザインだけでなく、今後のコンテンツ設計においても指針となるよう、チーム全体で共通認識としました。
人間中心設計(HCD)のプロセスから得られた要求事項を踏まえ、以下の観点を意識しながらワイヤーフレームを作成しました。
直感的に理解できるUI設計
ビジュアルとテキストのバランス(認知負荷の軽減)
ユーザーアンケートの結果、想定ユーザーの約7割がサイト閲覧時に主にスマートフォンを使用していることがわかりました。これは予想通りの結果でしたが、さらに深掘りすることで、オウンドメディアの記事をストレスなく快適に閲覧できるようにすることが重要であると考えました。そこで、ユーザーの行動や心理に寄り添ったUI設計を行いました。
また、「ひと目で内容が分かるビジュアル」を求める声も多く見られたため、視覚的に分かりやすいデザインであることを重視しました。そのため、視認性と操作性を優先して設計を進める必要がありました。
さらに、スマートフォン利用時の環境調査も行いました。多くのユーザーが通勤時や隙間時間にWebコンテンツを閲覧していることが分かり、その際の精神状態にも配慮しました。特に、集中力が高くない状態やリラックスしている状態でもスムーズに閲覧できるUI設計を目指しました。 これらのニーズに対応するために、以下の設計方針を作成し各フェーズの担当メンバーに共有しました。
このような人間中心設計(HCD)のプロセスに基づいて、ユーザーの行動や心理を考慮したオウンドメディアサイトのUX設計を行いました。
リサーチと並行して、オウンドメディアのアイデンティティとなるネーミングやロゴのデザインを進めていきました。
オウンドメディアのネーミングを検討するにあたっては、コロプラの原点である、2003年に発表した位置情報を活用した世界初の位置ゲー「コロニーな生活」に着目しました。
この原点から続くコロプラの歴史や、オウンドメディアとしてコロプラの現在地・目的地を発信するという位置づけを「ピンマーク( = 位置を示すマーク)」になぞらえ、メディアの名前に落とし込んでいます。
ロゴデザインにおいては、まず手書きのスケッチから方向性を探っていきました。
幅広い可能性を洗い出すために、約80案のロゴを作成し、それらをいくつかのカテゴリに分類。その分類をもとに、チーム内で検討を進めていきました。
また、この段階でオウンドメディアにおけるデザインの良し悪しを判断できるように、要件の言語化も行っていきました。
要件として定めたのは、以下の2つです。
機能性要素(= 読みやすく、探しやすく、信頼できるメディア)
情緒的要素(= 感情を動かし、共感やファンを生むメディア)
このような要件整理を踏まえた上で検討を進めた結果、手書き文字をベースに温かみを演出しつつ、さりげなくピンマークの要素を取り入れたデザインの方向性を採用し、ブラッシュアップしていきました。
その過程では、例えば以下のような調整を行っています。
手書き文字だけでなくピンマークのアイコンを取り入れることで、コンセプトを明確に訴求
英語表記では視認性が低い懸念があったため、カタカナ表記に調整
見る人に温かみを感じさせる形状・質感に調整
スマホなど、小さな画面でも読みやすいように調整
さらに、完成したロゴをビジュアル・アイデンティティとして、サイトデザインや各種クリエイティブにも展開できるよう、カラーリングなどの調整も行いました。
特にカラーに関しては、コロプラのコーポレートカラーが「ブルー」であるのに対し、ピンマークでは「イエロー」をコンセプトカラーに採用しています。これは、コーポレートとオウンドメディアそれぞれの役割を明確に差別化するだけでなく、互いのカラーが引き立て合い、それぞれの鮮やかさをより際立たせることを意図したものです。
また、オウンドメディアにとどまらず、新卒採用・中途採用・パラアスリート採用など、さまざまなタッチポイントでも活用できるような配色展開を意識して設計しました。
リサーチをもとに設計したワイヤーフレームと、ロゴから展開されたビジュアル要素を統合し、オウンドメディアサイトのデザインを行いました。その過程では、先述の「機能性要素」と「情緒的要素」のバランスを意識しながら進めています。
機能性の観点では、アクセシビリティに配慮した色彩や情報設計に加え、スマホでの閲覧時の認知負荷を下げるための余白やジャンプ率を設計。一方、情緒的な観点では、構成自体はシンプルでありながらも、新しいコロプラの雰囲気を感じ取ってもらえるようなレイアウトを心がけました。
こうした視点を大切にしながらデザインを形にし、実装を進めていきました。
このようなプロセスを経て、コロプラの「現在地」を発信するメディア『ピンマーク』 を公開することができました。ピンマークでは、コロプラのものづくりの文化や人、働き方について、熱量高くありのままに発信していきます。ぜひ一度覗いてみてください。
https://pinmark.colopl.co.jp/
さらに、オウンドメディア公開を皮切りに、現在ご覧いただいているCocodaでの発信をはじめ、コロプラにおけるブランディング施策を、コーポレートデザイン部として推進していきたいと考えています。
ここまで、なぜ今コロプラにおいてオウンドメディアを立ち上げることにしたのか、その背景や具体的なプロセスについてまとめました。
2008年の創業以来、私たちコロプラは「エンターテインメントで日常をより楽しく、素晴らしく」というミッションのもと、エンタメの力を信じ、その品質に徹底的にこだわりながら、多彩なコンテンツを展開してきました。
しかし、その中で培われてきた文化や知見、私たちが大切にしてきた価値やこだわりなどについて、社外に向けて情報発信を充実させる余地があると考えていました。
今、コロプラは「内向き」から「外向き」へと、文化を進化させていく転換点に立っています。私たちはその流れを後押しするように、コーポレートデザイン部として、コロプラらしさを臆することなく、熱量高く打ち出していきたいと考えていますので、ぜひご期待ください。