100名以上が所属するアドウェイズデザイン領域では、マネージャーのキャリアを志望する人が継続的に生まれています。全マネージャーのうち、入社時点ではマネージャーではなかったが昇進してマネージャーになった割合は 「92%」 と、非常に高い数値を保っています。
世の中ではデザイン組織のマネージャー不足が叫ばれる中で、アドウェイズではなぜこのようにマネージャーを増やすことができているのか?その鍵は、アドウェイズ社内で行っている「育成」にあります。
ここからは、これまでの背景や、具体的な取り組みについてまとめていきます。
以前のアドウェイズでは多くのデザイン組織の例に漏れず、マネージャー不足が課題となっていました。
アドウェイズでは、広告(ゲーム, 非ゲーム) / 自社サービスなどの扱う範囲や、動画 / ディレクション / グラフィック / サービスデザインなどの専門性ごとに、縦割りのチーム体制が取られています。
このような体制だからこそチーム数が多く、マネージャーが不足してしまっていました。
マネージャーがいないので増やしたい、しかし市場環境的に新たに採用することも難しく、内部からマネージャーを増やしていくことはできないか検討し始めます。
アドウェイズでは、マネージャーは職位制度に組み込まれているため「マネージャーになる=昇進する」ということになります。
逆にいうと、マネージャーに昇進したとしても、もしも合わない場合には職位が降格することになってしまいます。
降格するとなるとリスクが大きいため、メンバー的にもマネージャーを志望しづらく、組織的にも積極的にマネージャーに昇進させづらい状況が生まれていました。
そこでアドウェイズのデザイン領域では、マネージャーになるリスクを最大限減らし、マネージャーになりたいと思えるようなマネジメント育成に取り組み始めました。
具体的には、以下の3つの取り組みを実施しています。
ポテンシャルマネージャー(PM) の新設
責任範囲を詳細に分ける
育成担当を置いてキャリアを個別に描く
まず、職位とは別に、実験的にマネージャー業務を1年間体験できる「ポテンシャルマネージャー」という役割を新設しました。
ユニットマネージャーが普段取り組んでいる以下のような業務を、ポテンシャルマネージャーに振り分けながらペアとなって動いていきます。
目標管理
育成
査定
ビジネス側とスケジュールや案件の調整
決定権限や責任はユニットマネージャーが持ちますが、実際にマネジメント業務に取り組む見習い期間を挟めるため、自分にマネジメントの適性があるのかを考えることができます。
さらに、マネージャーの責任範囲を明確化するため、「マネジメント職位」「スペシャリスト職位」を明確に切り分けました。
マネージャーには期待が寄せられやすく、意図しないまま業務量や業務範囲がどこまでも広がってしまいがちです。そうなると「マネージャーになる=すべての業務に責任がある」というハードルが高いイメージを抱かれてしまいます。
責任範囲を明確にしたことで「ここはマネージャーの仕事・ここはリードの仕事」と線引きすることができるようになり、マネージャーになるハードルを下げることができています。
さらに、チーム単位での育成計画を立て、対象となるメンバー個々人に育成担当がつきキャリア設計をサポートしています。
責任範囲を明確にしたことで、マネージャーを増やしたければ、周りのスペシャリストも一緒に育てる、ということが必要になります。そのため、将来的に同じチームを率いるであろうマネージャー候補者、リード候補者それぞれに育成担当がつくようなイメージです。
一定のスキルがついてきたらポテンシャルマネージャーとして見習い期間をおき、その後マネージャーに昇格する、といったフローを取っています。
これらの取り組みを経て、アドウェイズではマネジメント業務に興味を持つメンバーが増加しています。昨年は、75人のメンバーのうち4人が新たにマネージャーを志望してくれました。
これまでにポテンシャルマネージャー(PM) を経験したメンバーから、感想として以下のような声をもらっています。
マネージャー不足という課題は、どのデザイン組織にも起こりうるものかと思います。
外からマネージャーを採用しようとしても、自社文化と業務内容に適応する人材に出会うことは難しいため、すでにどちらも持っているメンバーを育成し、新たなキャリアパスを提示することで、課題解決に取り組んでいます。
アドウェイズのデザイン領域として一番意識していたのは、「マネージメント業務にやりがいを見出せる環境」を用意することでした。
すでにマネージャーをしているメンバーは、マネージメント業務の面白さを伝えながら働き、興味を持ったメンバーがマネージャーにリスクなくチャレンジできるようにする。このような意識で、繰り返し施策を打ってきたことが、現在の結果につながっています。
今は、さらにPMがマネージャーとして活動するためのルール・スキルを体系的に学べるような場として「UM教習所」という施策を実施しています。この施策は、以下のような狙いから運用されています。
マネージメント業務の全体像を掴み、素養があるのか検討できる
マネージャーにならなくても、組織内での視座を上げることができる
マネージャー同士で議論したり、助け合える関係を構築できる
マネージャーだけでなく、個々人のキャリアや成長にこだわった組織づくりを行うアドウェイズに興味がある方は、ぜひお話ししましょう。