ウエディングパークでは多様化する結婚の価値観に対して、結婚式を挙げる・挙げないという選択の間に存在する「せっかくの節目だから、何かしたい」という、多くの人が抱く純粋な願いに着目しました。

そして2026年3月、「入籍パーティー=ニューパ」という新たなお祝いスタイルを提唱し、特設LPをリリースしました。

私はこの「ニューパ」の立ち上げにデザイナーとして関わり、主にサイトのクリエイティブ制作などを担ってきました。

今回は、まだ世の中にない体験をどのようにクリエイティブとして表現し、その価値をお客さまに伝えていくのか。私が向き合ってきたことや、「ニューパ」のサイトクリエイティブの考え方についてまとめます。

入籍というせっかくの機会に、ちょっといいごはんや思い出に残る時間を楽しむ、”お祝いするお食事会”のことを「入籍パーティー」と言います。 

「結婚の報告を、好きな人たちにしたい」「好きな人の結婚を、ちゃんとお祝いしたい」。そんな、誰もがふだんから大切にしている想いをカタチにするのがニューパです。

https://newpa.weddingpark.net

豪華な披露宴ほど肩肘を張らず、かといって普通の飲み会よりも少しだけ特別で、忘れられない思い出をおふたりとゲストでつくるお祝いのスタイルです。

例えば、結婚式を挙げない方でも入籍のタイミングで特別な時間を過ごせるように、という想いから立ち上げられたサービスです。

このようにニューパの世界観は社内で強く共有されてきたのですが、「入籍パーティー」という考え方が一般的ではない中で、どのようにこの世界観を伝えて共感してもらうのか?ということが事業立ち上げにおける最大の論点でした。

私はテストユーザーの方を巻き込んだ事業検証のあとに「ニューパ」チームに参画し、リリースに向けてのサイトクリエイティブ設計を担当していきました。

私は途中からニューパのチームに入ったので、最初はユーザーのみなさまと同じく、「何がニューパの魅力なのか」「どのようなターゲットを狙っているのか」「どんな雰囲気なのか」というところも分かりきっていませんでした。

そこで、まずニューパの立ち上げのために行われていたユーザーインタビューを確認しました。

インタビューでは「いわゆる結婚式のような感じではやりたくない」という声が多く、ただその中に「でも、節目で大事な人には報告したい・大切な人を紹介したい」という声もあるのが分かっていました。

これらの声から、チームでは「1.5次会」「節目の場ではあるけど、堅くはない」というキーワードがよく使われていました。

このインサイトを自分の中でも腹落ちさせていくために、サイトの雰囲気をいくつか幅出ししてから、再度責任者に方向性を確認しました。

「結婚式の派生イベント」のようなイメージでたたきを見せてみたところ、「結婚式のカジュアルダウンではない」「従来の結婚式のような堅さや盛大さはできるだけ弱めたい」とクリエイティブの方向性についてイメージを確認することができました。

このようなやり取りの中で、ニューパとはどういう世界観のサービスなのかが自分の中でも掴めてきます。

自分の中でまとめると、ニューパの世界観を表現するためには「自由でありながら、節目の場である」というバランス感が大切なのだと分かってきます。特に、思った以上に「自由さ」の方を強めてつくるとニューパらしさが伝わりそうだと想像できました。

これらの要素をクリエイティブに変換していきます。最初のサービスサイトはとにかく「ニューパらしい世界観を伝える」ということを意識して、従来のメディアサイトというよりもLPサイトのようにカジュアルだけど特別なニューパらしい雰囲気を強めて設計しました。

「ニューパ」のリリース時のクリエイティブの設計の考え方

例えば、KVでは以下のような設計で、世界観をとにかく強く伝えるように工夫しました。

  • ロゴに合わせたビビッドなオレンジを背景全体に使う

  • 写真やイラストで分かりやすくカジュアルさを伝える

  • コンセプト文章を最初に置く

また、会場情報など、一般的には「正しいコンテンツ = 各丸をあまり使わない」ようなコンポーネントも含めて、サイト全体の各所を「これでもか」と丸く表現するようにしています。

これも、カジュアルな印象を伝えるための工夫でした。

さらに、ニューパの思想に直接触れてもらえるように、コンセプト文章をまとめたページもつくりました。

全体的に、「これは、これまでの結婚式とは何か違いそうだぞ」と直感的に世界観を感じとってもらうことを強く意識していました。

その後、無事にニューパのサイトがリリースされました。

しかし、リリース後のユーザー行動を分析していると、サイトに流入して最後までページを読み込んでいても、離脱してしまう人が多くいることが分かります。

これはおそらく、世界観にはなんとなく共感されていても、「具体的な価値や便益は伝わっていない」ということだと仮説を立てました。

ここで、もう一度ユーザーにとっての便益を整理するためにユーザーインタビューを確認します。

その中に「実は結婚式をやりたいけど、準備が大変そうで諦めていた」というインサイトが見つかりました。

このインサイトを満たすために、「準備の手軽さ」をクリエイティブのポイントに追加して、情報設計を見直していきます。

「ニューパ」のリリース後のクリエイティブの設計の考え方

例えば、これまでトップの下層には「ニューパでできること」というコンセプトを中心にまとめていました。

しかし、改善後にはもっと分かりやすくできることが伝わるように「ニューパの準備方法はとってもシンプル」と、手軽さを訴求する項目を初めから差し込むようにしています。

トップ下層の改善

また、「節目感」を伝えられるように、特別な料理をみんなで分け合う「メインシェア」というニューパならではのコア体験もサイトで押し出すようにしました。

ならではのコンテンツを強く訴求

これまで強く押し出していた「自由さ」や、ニューパとは何か?という世界観部分の訴求は、これらの価値に共感したあとに見てもらうようなイメージで情報優先度を組み替えています。

全体の情報設計のバランス

リリースの後も、チームでサイトの改善や商品パッケージの設計、広告の改善を続けたことで、無事にサイトから申し込みが生まれました。

「入籍パーティー」という新しい体験に対して、誰かが直接語って共感してもらうのではなくて、完全にサイトの内容だけで共感が生まれて行動いただけたのは、今のフェーズではとても大きな成果でした。

新プロジェクトであるため、これから「ニューパ」を拡大できるかどうかは私たちの努力次第ですが、一人ひとりに向き合って新しい体験に共感いただくことを続けていければと思っています。

私が今回一番学んだことは、新しい文化を届けるためには、「機能性」と「世界観」を同時に伝えるクリエイティブへのこだわりが必要なのだということでした。

単に想いを伝えれば良いというわけでもなく、「何がこれまでと違うのか」「その上でどんな課題を解決できるのか」という便益を伝えなければ価値は伝わりません。

ただ、機能的にできることを伝えるだけでもなく、「諦めていたけど、これならやってみたい...!」という共感を生み出すための世界観の訴求も同時に大切なはずです。

ニューパは、一般的なメディアサイトとは違い、よりカジュアルさを世界観として伝えるためのイラスト、写真、コンポーネントなどのクリエイティブを強めることを選びました。

どれだけ良いサービスだとしても、その世界観が伝わらなければ、多くのユーザーに選ばれるものにはならないはずです。今回のように、新しい文化を届けていくときに、もっと一瞬で価値が伝わり、その世界観に共感してもらえるようなクリエイティブを突き詰めていければと思っています。

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