GMOメディアサービスデザイン部で、「コエテコ byGMO」の事業を担当している烏丸と鈴木です。
2023年8月に開催した「コエテコ ジュニアプログラミングフェス」にて、「コエテコ byGMO」としては初となる大型のオフラインイベントの制作ディレクションに内製で取り組みました。
今回は、制作ディレクションの事例をまとめながら、GMOメディアサービスデザイン部が意識している「事業に資する」デザインについて触れてみようと思います。
コエテコ ジュニアプログラミングフェスは、2023年8月にGMOインターネットグループの第2本社「渋谷フクラス」で開催した、オフライン開催の子ども向けイベントです。
教育関連の企業20社近くがブースを出展し、ロボットやプログラミング、ドローンといったテクノロジーを、体験しながら学べるという内容になっています。
「コエテコ byGMO」としては初めてとなるオフライン開催の大型イベントで、所属するデザイナーとしてもここまでの規模のイベントに関する制作に関わり、自分たちで運営まで行うのは初めてのことでした。
イベントの制作ディレクションについては、目的から提案することを意識して行なっていました。
当初、イベントに関する制作を依頼されたタイミングでは、情報はざっくりとしか渡されていなかったため、目的から明確にする必要を感じていました。
そこで、事業オーナー(イベント責任者)に対して、なぜ今回イベントを開催するのか?また、今回必要な制作物は何なのか?をヒアリングを通して明確にしていきました。
初回のヒアリングでは
イベント全体の内容や目的、全体スケジュール
各制作物の制作目的、必ず入れたい内容
について確認し、以降も各制作物ごとにヒアリングを実施して、同様の項目について確認するようにしていきます。
ヒアリングでは、制作物の具体的な内容ではなく、主に制作の目的や、期待する効果について聞くようにしています。
ただ制作を進めるだけでなく、事業として「なぜ今回のイベントが必要なのか」から整理することで、迷いなく、かつ本当に必要な制作に取り組むことができるようになります。
ヒアリングを行なった上で、まだ制作の要件が明確になっていないものも多くあることがわかりました。
とはいえ、期日から考えると、その要件が固まるのを待っているわけにはいきません。
なので、デザイナー側から制作物のデザインのベースとなるキービジュアルを作成しつつ、関連する各制作物の期日を設定し、一つ一つ目的や要件を明確にしていくような進行管理に取り組みました。
例えば、印刷業者の情報を比較しながら、入稿データの要件や期限などを明確にしていきます。これらの進行管理表をもとに、納期も含めて管理を行っていきました。
イベントの開催が近づくにつれて、リハーサルなどを行う中で具体的な想定が求められるようになってきます。
例えば、参加者は会場で迷わないか、本当に想定している行動を取ってくれるのか、、など。
ここで意識していたのは、「参加者の行動を想像し、最後まで制作を止めない」ことでした。
イベントにおいて、制作するものの優先度は「参加者の行動」から考えるようにしていました。
参加者が来場してから、退場するまで、どのような心理で行動するのか?どの場面で何を求めているか?をできる限り想像していきました。
例えば
入場時には、会場全体の地図が知りたくなるのではないか
謎解きの景品として複数パターンのノベルティがあったほうが子供は楽しんでくれるのでないか
このイベントで体験したことをそのまま学校の自由研究として提出できるようにシートは必要そう
会場を回っているときに場所の名前がわかるように各種サインを作成したほうが良さそう
のように考えていきます。
参加者の目線で考えたからこそ、制作物の優先度が決まり、「会場マップ」「会場の看板」「自由研究シート」「謎解き参加のノベルティ」など、参加者の満足度を高める制作物を用意することができました。
また、イベント当日も、参加者の迷っている動きを見つけたら、即座にその場でデザインを行い、改善するような動き方をしていました。
例えば、当日スタッフとして動く中で、以下のような問題を観測していました。
会場のビルに入り口が2箇所あり、入り口まで迷ってしまう人が多く見られた
受付の8階までは、専用のエレベーターからしかいけないため、そちらへ誘導するサインが必要になった
会場の15階と16階でイベントを行なっているが、参加するイベントによって場所が異なるため、来場者の見える位置に案内の看板を増やした(場所がわからないという問い合わせが多かった)
謎解きのイベントを開催をしていることを知らずに帰ってしまう人が多かった
そこで、すぐに看板を追加制作して、会場内外の導線をよりわかりやすくしていきました。
結果として、コエテコ ジュニアプログラミングフェスは、約300人の親子にご参加いただくという大盛況を収めることができました。
デザイナーとして制作に関わるだけでなく、事業としての目的から整理して、期日までに最大限結果を生めるように、参加者の行動を想定しながら制作に取り組めたことは、大きく貢献できたところなのではないかと思います。
実際に、事業オーナーからも、以下のような声をもらいました。
GMOメディアサービスデザイン部では、プロダクトの機能やUIのデザインだけでなく、事業に必要ならばあらゆるデザインに取り組むことが可能です。今回のように、事業に資するサービスデザインを続けていけるように、今後も取り組んでいこうと思います。