SmartHRでは毎週水曜日、経営会議の後に全SmartHRメンバーへ向けて経営状況を共有する、通称「SKJ」という場を設けています。

「さぁ〜て (S)  今週の経営 (K)  状況は?(J)」でSKJです。

この記事では、コロナ以降、Zoomウェビナーでオンライン開催されているこの「SKJ」の配信ホスト運営で実施していること、またその上で気にかけていることなどをお伝えしたいと思います。

書き手の紹介 SmartHRのデザイナーをしていますmeraponです。普段はコミュニケーションデザイングループ Visual-Communication Unit で、グラフィックデザインやアートディレクション、また動画製作や配信業務を担当するなど、幅広い領域で活動しています。最近だと、SmartHRのモーションロゴ製作にも携わりました。

「SKJ」とは、直前に行われる経営会議で議論された内容や、(評価制度の変更点など)重要なお知らせ、主要KPIの状況や銀行口座の残高、週次のキャッシュフローまで、会社の経営にまつわる様々な情報を全SmartHRメンバーに対してオープンに共有する全社会議です。

また、その共有内容に対しては、Slack上で全SmartHRメンバーがリアルタイムに感想や意見を交わし合い、質問も随時受け付けられています。(カジュアルな、“実況スレ”に近い様相です)

......と、サラサラと書きましたが、全社に影響を及ぼす意思決定のプロセスから、会社が直面している課題、経営に関する数字をここまでオープンに、分かりやすく、しかも全社員に対して共有することって、実はとても珍しく、そして尊い志ではないかと思います。

僕が入社したのは2020年1月。当初はコロナの影響もなく、SKJもオフィスで開催されていました。色々な情報が凄いスピードで共有されて、それに対してSmartHRメンバーのみなさんが当然のようにリアルタイムでSlackからコメントする様子に圧倒されたのを覚えています。同時に、経営状況の話を(時折笑い声も上がるくらい)カジュアルに話せるカルチャーを肌で感じて、「大切にしたい会社だな」という気持ちになりました。

(画像は2019年のもの。僕はまだ居ません)

2020年3月以降、コロナの影響が深刻になってくると、出社する人数を抑えるために、オフィスで行われるSKJの様子をZoomで配信する形にシフト。

入社早々、内製で映像製作を始めるにあたり導入した機材(特に放送スイッチャーの「ATEM Mini」)が大活躍することになりました。

緊急事態宣言の発令(2020年4月7日)以降は完全オンライン開催となり、(映像製作にも対応可能なハイスペックのMacBookProを支給されていたこともあり)引き続き僕が自宅から配信ホストを担当する流れに。SKJ配信担当デザイナーの誕生です。

SKJでは、新しいメンバーの自己紹介コーナーも設けられています。これもオンラインで行うにあたり、一人の自己紹介ごとに拍手と歓声のSEを流すなど、オフラインと変わらない(またはオンラインならではの)体験に出来るよう工夫しています。

☝️こちらの動画内で、SKJ自己紹介コーナーの様子が一部公開されています。(6分2秒あたりから。動画本編も面白いので見ていただけると嬉しいです!)

Zoomウェビナーでは視聴者の顔が見えず、今自分が同僚たちへ喋っている内容に対して、どんな反応が返ってきているのか、笑っているのか真顔なのかも分かりません。

空気感が伝わりにくいオンラインコミュニケーションの中で、新しいメンバーの方が孤独な気持ちにならないよう、SKJを通じて自然にカルチャーに馴染めるように、積極的に働きかけています。

こうして積極的に働きかけた結果、新入社員の方からデザイナーではなく業務委託DJだと思われていたことも(定期的に訂正してもらえる優しい世界もあります)。

SmartHRに入ったばかりのころの緊張は自分も痛いほど覚えていて、本当に真剣な気持ちで入社オリエンを受けている皆さんがとにかくリラックスして本番に臨めるよう、SKJの前日には人事担当者の方と一緒に『SKJ自己紹介の練習』も行っています。

様々な情報をオープンに共有するSKJですが、自分にとっては、経営状況以外にも色々なことをキャッチアップできる時間でもあります。

議題に対してリアルタイムに質疑応答が行われることで、他のSmartHRメンバーの皆さんの視座が知れたり、「会社として大切にしていきたいマインド」のようなものを肌で感じることができたため、自分の目には「カルチャーのオンボーディング」の場にも映りました。

“カルチャー” は “ブランド” と同じように、「デザイナーが勝手に定義する」のではなく、「すでに社内に答えがある」ものだと思います。会社Slackで起こったムーブメントや誰かの呟きなど、「カルチャーの原石」のようなものが至る所で “サンプリング” された結果、それが根付き、カルチャーとして花開くのではないか。

この話は、コミュニケーションデザイングループ Brand-Communication Unit 関口さんの “ブランド” への向き合い方にも通じています。以下の登壇資料に、「らしさ」を「わかる」状態にしていく、「見つけて・採集して・磨く」デザインのマインドが “熱” と共にまとめられているので、こちらも是非どうぞ。

コロナ禍がもたらした、オフラインでのコミュニケーションが極端に減ってしまった状況において、SKJは「全SmartHRメンバーが同じ体験を共有できる」貴重な時間になったと感じています。

そんな状況の中でSKJが、コミュニケーションの中でお互いの空気感を共有できる、カルチャーの原石をサンプリングする、それが全SmartHRメンバーの間でリアルタイムに行われる場に出来たら素敵だなと思います。

僕はSKJを「必要な情報をキャッチアップできる時間」なのはもちろん、とにかく「参加していて楽しい時間」にしたいと思っています。

何故なら「楽しんでいる状態」=「クリエイティブな状態」であると僕は考えていて、それはつまり「クリエイティブな状態で仕事に臨める」ということだからです。

クリエイティビティは、なにもデザイナーやエンジニアばかりに必要なものではなく、セールスやサポート、総務や経理など、働く全ての人たちに須く求められるものです。(そしてSmartHRのメンバーは、皆さんとてもクリエイティブだと思っています)

SKJという場をホストする身として、「この場を通して、全てのメンバーがクリエイティブになれることが『働きやすさ』に、引いては『事業成長』に繋がると信じて」細かな配慮と、飽きない体験を提供したいと思っています。

オフラインで行われていたSKJが「1.0」、僕が自宅から配信していたSKJが「2.0」だとすれば、2021年は「SKJ 3.0」へのアップデートが行われる年になりそうです。

これまでは機材やオペレーションのハードルの高さもあり、僕への属人化が著しかったSKJですが、社内に配信設備を導入して配信を担当するメンバーを増やすなど、体制を大きく変えられるよう動いています。

デザイナーとして、サービスやお客様に対して価値を届けるのはもちろん大事ですが、「価値を届けるSmartHRメンバーが余すところなくクリエイティブになれる時間」を提供できるように、今後も改善を続けます。

(アクセシビリティを高めるため、会議中の発言内容をリアルタイムで字幕表示する取り組みも始まっています!それはまた、別の機会に改めて記事にしようと思っています。)

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