アドウェイズでは、ゲーム領域、非ゲーム領域など、幅広い広告制作に取り組んでいます。
人数も多く、広告制作における品質のばらつきが人によって起こってしまいやすい状況で、「広告づくりのプロセスを体系化」していくために、研修を通してコピーライティングの考え方を取り入れました。
広告制作にコピーライティングの考え方を取り入れた背景や、具体的な浸透のプロセスについてまとめます。
クライアントとの広告制作を中心に活動しているアドウェイズのデザイン組織は、2014年ごろは組織自体も複数に点在しており、現在の半分にも満たない小規模な組織でした。
そこから、2021年ごろになると80名以上のメンバーが所属する組織となり、デザイン領域も広がっていきます。
少しずつ組織にマネジメント層も増えていき、チームとしては、より生産的に、かつ品質も高めて制作に取り組むことが求められていました。
デザイン領域が拡大する中で、広告を企画から設計・ディレクションまでできるメンバーの不足が課題となっていました。
その背景としては、数年前は広告の表現部分を磨くことで得られる成果が大きかったため、企画の設計やディレクションのスキルが今よりも求められていなかったことがあります。特にゲーム領域では、技術によって成果が変わる部分が大きく、そのため、企画を考えるよりも手を動かしてスキルを伸ばすことが重視されていました。
しかし、広告業界の変遷によって、表現だけでは広告成果が出づらくなっていたこともあり、企画・ディレクションができる人材の不足は大きな課題となっていました。
そこで取り入れたのが、コピーライティングの考え方や理論です。
広告における「企画・訴求」「表現」の、特に企画・訴求の部分を考えるためには、理論がすでにあるコピーライティングの考え方を取り入れるのが最も有効なのではないかと考えました。
具体的な浸透プロセスとして、以下のようなステップを取っています。
「コピーライター養成講座」の受講
コピーライターの方を呼んだ研修
最初はチームにも知見がなかったため、外から知識を取り入れつつ、徐々に内製でスキルを獲得できるよう施策を実施しました。
まず、外部のコピーライティングが学べる機会から知見を持ち帰ることを狙って、宣伝会議が毎年開催している「コピーライター養成講座」へ数名のメンバーに受講してもらうところからはじめました。
講座を通して学んだ内容から、業務で使えそうな理論を抜粋して、社内に向けて共有会という形で浸透しています。
例えば、コピーライティングにおける「What to Say」「How to Say」という考え方は、広告制作業務において企画を考える時にも使えるものではないかと考え、それらを業務に取り入れるためのナレッジをつくり、社内に共有しました。
これまで技術や表現中心に制作をしてきた中である種、型を持って企画を考えられるようになり、その結果、参加メンバーを中心に、業務でもコピーライティングの考え方が徐々に活用できるようになっていきました。
一部メンバーがコピーライティングの考え方を業務に取り入れていく中で、コピーライティングと広告制作の考え方は相性が良く、業務に取り入れることで一定価値があることがわかってきたので、研修を社内で行えるようにしました。
具体的には、外部からコピーライターの方を招待し、研修プログラムを設計していただき、全5回の講座を開催しました。
コピーライティングの考え方を取り入れる機会を増やした結果として、以下のような変化が起こっています。
Good
コピーの考え方が共通言語になってきている
型をつくっていくことが重要だという雰囲気が社内に生まれてきた
社内で自発的に、コピーライティングについての勉強会が開催されるように
More
参加したメンバー全員が業務にコピーの考え方を取り入れるまでは至っていない
一部領域では、コピーの考え方を取り入れづらい場合もあるため、別のアプローチが求められている
一例として、ゲーム領域では、継続的に企画・訴求面に関する考え方が学べるように、コピーライティングの考え方を取り入れた勉強会が頻繁に開催されるようになっています。
アドウェイズでは、広告制作という型のない領域(正確には、業界の変遷が速く、型をつくりづらい領域)における勝ちパターンを見つけるために、今回の取り組み以外にも複数のしくみを用意しています。
これまでの広告制作のナレッジを貯めるデータベース
ディレクターとデザイナーの連携の方法を知見として貯めるワークショップ
組織の人数が少ない頃は他に取り組むべき課題が多くあったため、なかなか進められていませんでしたが、100名近いメンバーが所属し、マネージャーの人数も増え、ようやくこのようなプロセスの体系化にも取り組めるようになってきました。
広告制作という型を見つけづらい領域で、一部の人だけでなく、チーム全員が同じクオリティで制作ができるようになり、またクライアントに対して事業貢献できるよう、さらに組織づくりに注力していきます。