MIXIデザイン本部 動画クリエイティブ室は、企画・デザイン・ディレクション・撮影・CG・サウンド ・PMなど、動画制作に関わるあらゆるスペシャリストが所属する部署です。
制作ジャンルは多岐に渡り、実写映像はもちろん、モーショングラフィックスや3DCGなど、場面に応じて様々なクリエイティブを生み出しています。
この記事では、MIXIが展開する事業の成長を映像表現の力で加速させていく、CGデザイナーの取り組みについて、インハウスならではの制作事例や、技術の観点からまとめようと思います。
CGデザイングループは、動画クリエイティブ室にあるグループの内の1つであり、特にモーショングラフィックスや3DCGを得意とするCGデザイナーが多数所属しています。
事業部の抱える課題をクリエイティブで解決すべく、最適な解決手段としての表現は何かをCGデザインの視点から考え、制作手法も含めた提案を行っています。
CGデザイングループでは、モンストでの真獣神化発表をはじめとしたプロモーション映像に加え、そこから得られた制作技術や映像表現の知見を活かし、「千葉ジェッツ」や「TIPSTAR」「家族アルバム みてね」などのMIXIが展開する他事業でも、映像を起点とした価値向上の一端を担っています。
CGデザインと一口に言っても、その種類は2Dでのモーショングラフィックスや、3DCG、Live2Dなど多岐に渡ります。また、施策目的や課題によって、最適な映像表現も変わってきます。
そのため、MIXIのCGデザイナーは、幅広い課題を解決に導く最適なクリエイティブを提案できるように、特定の表現にこだわらず、映像制作に取り組むことを心がけています。
さらに、案件によっては要件定義やディレクションから担当したり、外部の制作パートナーに協力いただくなど、制作プロセスも柔軟に対応しています。
ここからは、CGデザイングループでの制作事例や意識しているポイントをいくつかピックアップしてお伝えいたします。
モンストの10周年を記念したアニバーサリーパーティを開催するにあたって、開催10日前からのカウントダウン動画を制作し、YouTubeやTikTokで配信しました。
モンスト「10th Anniversary Party」に向けたカウントダウン動画
使用ツール : After Effects、Live2D、Blender
キャラクターモーション制作協力:ニジボックス(https://www.nijibox.jp/)、クリーク・アンド・リバー社(https://www.cri.co.jp/)
当初の企画段階では、過去の周年記念施策の事例を参考としたクリエイティブを想定していましたが、「モンストの10周年を盛り上げる」という大きな目的にふさわしいクリエイティブを生み出すべきだと考え、動画の構成や演出方法から改めて検討していきました。
ディレクターやサウンドクリエイター、PM、CGデザイングループメンバーなど7名ほどの制作チームで、日毎に登場するキャラクターや、セリフ、演出などを検討し、事業部メンバーと相談しながら内容を詰めていきました。
最終的には、モンスターストライクが2013年にリリースしてから2023年までの歴史を振り返るコンセプトで、各年に登場したキャラクターが順番に登場するカウントダウン動画を制作しました。
カウントダウン動画には、「ついに10周年がきたぁ!」「なんか感動して涙出てきたわ」「これだけ凄いカウントダウンしてるからマジで楽しみ!!」「これ見るたび鳥肌感動…」など、ありがたいコメントを数多くいただき、アニバーサリーパーティも好評でした。
モンストの公式TikTokでは、モンストの最新情報を1分にまとめてお届けする「とにかくみじかくモンストニュース」など、さまざまな種類の動画を公開しています。 そのなかで、CGデザイナー起点で新しい切り口の動画を提案し、制作するという取り組みも行っており、モンスト10周年を記念したTikTok動画がその1つです。
モンスト公式 TikTokで公開した10周年記念動画
使用ツール : After Effects、Live2D、Blender
まず、TikTokとの相性が良いコンテンツのリサーチや、CGデザインの視点から最適と思われるクリエイティブ表現をかけ合わせ「音ネタ系」「CGアニメ系」「実写合成系」「MAD編集系」などいくつかの案を企画し、事業部メンバーと相談しながら方向性を詰めていきました。
また、動画の構成案やキービジュアルについてもCGデザイングループメンバーが作成したうえで動画制作を行い、公開に至りました。
このように、インハウスで活動するからこそ得られる事業理解に加え、映像表現に専門性を持つCGデザイナーとしての視点から、積極的に課題設定と解決の道筋を提案することも重要だと考えています。
さらに、社内で得た制作のナレッジを共有しながら、中長期にわたって継続的に最適なクリエイティブの追求をしていけることも、MIXIのCGデザイナーならではの取り組みであり、今後も続けていきたいと思います。
また、モンストだけでなくスポーツ領域など、幅広い分野での制作も担当しています。
まずは、天皇杯、地区優勝、そして年間王者という3冠達成を目指して戦ってきた、千葉ジェッツのこれまでの軌跡を描いたスペシャルムービーについてです。
こちらの動画は、動画クリエイティブ室 コンテンツディレクショングループの動画ディレクターと連携しながら制作を進めていきました。
千葉ジェッツ ROAD TO THE TRIPLE CROWN 【SPECIAL MOVIE】
使用ツール : After Effects、Premiere Pro
構成の設計や実写部分の映像編集を動画ディレクターの方が行い、CGデザイングループでは、より魅力的な演出にするためのモーショングラフィックス制作を担当しています。
これまで千葉ジェッツが戦ってきた熱いシーンや、各選手の勇姿をふんだんに盛り込んだ動画構成に加え、実際に船橋アリーナで映像が流れることを想定し、会場にいる千葉ジェッツのブースター全員が一体となれるような、かっこよくもエモーショナルな展開で、緩急のあるモーショングラフィックスを意識して制作を行いました。
実際の映像制作風景
次に、365日配信されるレース映像と、競輪・PIST6・オートレースのネット投票を、基本無料で楽しむことができるサービス「TIPSTAR」で開催した、「ボーナス OR ナッシング」という新機能の紹介動画についてです。
TIPSTAR 【ボーナスORナッシング】新ベットバックサービス紹介動画
使用ツール : After Effects、Premiere Pro、Blender、Substance 3D Painter、Unreal Engine
こちらの動画は事業部からの相談を受けて、ディレクター、サウンドクリエイター、グラフィックデザイナー、PMに加え、CGデザイングループから3名がチームを組み、すべて内製で制作にあたりました。
CGデザイングループの3名は、それぞれ次のような役割分担で制作を進行しました。
全体のクオリティ・進行管理
映像編集・コンポジット
3DCG素材の制作・演出
実際の映像制作風景
CGデザイングループには、3DCGの制作を強みとする方、キャラクターアニメーションを強みとする方、モーショングラフィックスを強みとする方など、さまざまなメンバーが所属しているので、各々の強みを活かしたチーム編成にすることができます。
これにより、単純なかっこよさだけではなく、潜在的な部分からも事業部のニーズを引き出し、より高いクオリティで最適な表現を作り出せると考えています。
一方、施策に求められる表現の種類や、スケジュール感に合わせて外部の制作パートナーと協力する場合もあります。
例えば、モンストシリーズのゲームである『キュービックスターズ』の紹介トレーラー動画では、外部の制作パートナーと連携しながら制作を進めました。
『キュービックスターズ』ゲーム紹介トレーラー
映像制作協力:ポイント・ピクチャーズ(https://www.point-p.jp/)
具体的には、CGデザイングループ側で要件定義や絵コンテディレクション、構成を担当し、映像の実制作部分を依頼させていただきました。
このように、ディレクションや外部パートナーとの連携など、施策ごとに最適なプロセスを柔軟につくって動いていくことは、インハウスでの制作チームならではの取り組みであり、面白みであると感じています。
ここまでご紹介した通り、私たちMIXIのCGデザイナーは、MIXIが展開するさまざまな事業で、映像を起点とする課題解決に向けた提案を行っています。
すべてのユーザー接点において、映像を用いたコミュニケーションが最適であるということはありませんが、情報を分かりやすく伝え、感情や心に響くような演出を得意とする映像という手段を用いることで、よりインパクトのある効果をつくれる場面は多くあります。
様々な課題に対して打てる解決策の幅を映像というアプローチから広げ、1つ1つの施策の効果を高めていく。これによって、クリエイティブで事業を牽引していくことが、インハウスで活動する私達の役割だと考えています。
また、MIXIが展開する事業のなかで、まだまだCGデザインの技術や表現を駆使してプロモーションを加速できる余地があります。
今後もMIXIのデザイナーだからこそ実現できることをさらに広げ、クリエイティブの力で事業の成長を推進していく役割を拡大していきたいと思っています。