Money Forward Xデザイナーの佐々木です。今回はコロナ禍で一気に増えたリモート環境下でのユーザーインタビューの工夫について書きたいと思います。

Money Forward Xではクライアントと一緒にサービスを作る中で、頻繁にユーザーインタビューが行われます。案件が複数並行して進む中で、コンセプト設計段階で一気にユーザーをオフィスに集め1日5,6人にインタビューをしたりしていました。また、調査会社に依頼し、インタビュー会場を抑えてもらうなど、ユーザーインタビューの重要性はかなり高かったです。

しかし、昨年からコロナウィルスの感染拡大の影響で、対面でユーザーと接することが難しくなりました。今までのユーザーインタビューはほとんどオフラインで行っていたので、オンラインで行う必要が出てきたときは正直焦りましたね。

オンラインで行うとなっても、インタビューの質は絶対に落としたくない。そう思い、自分なりにリサーチをして、以下の記事などを参考に、様々な工夫を行いました。

やり方を模索するうえで一番大切にしたのが「いかにユーザーの負担を減らすか」ということ。こちら側の都合を考えるのではなく、接続の悪さやツール操作など、オンライン特有のストレスをなるべく軽減し、ユーザーが本音で話せるような環境づくりを意識しました。

例えば、インタビューで使うビデオチャットツールの選定。Money Forward Xでは、URLを共有するだけで使えるビデオチャットツール「Whereby」を使うことがありました。

インタビュー相手となるユーザーは、必ずしもビデオチャットツールに慣れているとは限りません。アプリのダウンロードやアカウント登録などを必要としないWherebyを選びました。

また、ユーザーの行動の頻度を把握するために、行動が書かれたカードを並べ替えながら話すなど、インタビューでは視覚情報を見せながら話を聞くシーンがあります。その際は、Googleスライドの編集画面を見せるようにしています。あらかじめカードをスライド上に準備しておき、ユーザーが話す通りにカードを動かしてインタビューを進めます。この場合、プレビューモードにはせず編集画面にしておくことで、ユーザーはカードの動きを見ることができます。

こちらも、他ツールを検討していろいろ試したのですが、PCへの負荷が一番軽く、サクサク動くツールとして最終的にGoogleスライドが残りました。

このように、ユーザーの負担が最小化され、スムーズにインタビューができるやり方をまずは僕が個人でいろいろと調査した結果、設計段階と実施段階に分けてチェックリストを作りました。チェックリストはこのような感じです(ぜひ使ってみてください!)

チェックリストを社内に共有したらポジティブな反応があり、今では社内で活用されています。

制約の多いコロナ禍でのリモート環境で、ユーザーインタビューの質を落とさないためにもぜひ参考にしてみてほしいと思います。

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