ビザスクでは、2023年1月にコーポレートリブランディングを行いました。それに合わせて、2023年1月から5月の期間で、サービスプロモーションサイトのリニューアルに取り組みました。
ビザスクでは、2023年7月時点で、9つのサービスが展開されており、サービスサイトではそれらのサービスごとの特徴をお客様視点で分かりやすく伝えることが求められていました。
そんな中で、どのようにサービスサイトの改善範囲を決め、デザインに落とし込んでいったのかをまとめました。
ビザスクでは、2023年7月時点で、市場・業界のリサーチやユーザーインタビューに活用できる9つのサービスを提供しており、それらをプロモーションし、利用につなげるためのサービスサイトを運用しています。
今回、ブランドリニューアルに合わせて、サービスプロモーションサイトのリニューアルを行うことになりました。
サービスプロモーションサイトをリニューアルすることになったきっかけは、2023年1月に公開されたビザスクのコーポレートリブランディングでした。
さらに、リニューアルの機会に、かねてよりサービスサイトにおける課題となっていた部分も、まとめて改善することになりました。
- コーポレート部分とサービス紹介部分が一緒くたになっていて、お客様に合わせた情報を届けられていない
- サービスが多く、それぞれで何ができるサービスなのか伝わりづらい
- 徐々に増えていくサービスを整理しきれない一方で、既存の情報が更新が追いついていない
- セミナーや活用事例などの更新コンテンツをより運用しやすくしたい
まず最初に、サービスサイトにおける改善点を把握するために、お客様の行動や感情を、実際の声をもとに整理していきました。
サイト内で、ユーザーはおそらくこういう行動をしていて、こういう感情変化をしているのでは?という仮説を、ジャーニーマップの形でまとめていきました。
ビザスクでは、プロダクト開発の場面で用いられることが多い「ジャーニーマップ作成」という手法ですが、今回はWebサイトのリニューアルにも活用しています。
ユーザーにどのような使われ方をしているのか現状把握する必要があったのと、社内でもWebサイトの見られ方に対して共通の認識が持てていなかったので、目線合わせをする意味でも実施しました。
ジャーニーマップから、サービスサイトの課題と改善策まで出してみましたが、ユーザーの行動や感情変化が実態に即したものかどうかの確信が持てなかったので、直接ユーザーインタビューを行うことにしました。
仮説でつくったジャーニーマップを検証するために、3名のユーザーにインタビューを行いました。
また、ユーザーだけでなく、社内のインサイドセールスやフィールドセールスにもインタビューを実施しました。社内向けのインタビューでは、仮説で作成したジャーニーマップを見せながら話を聞きました。
インタビューを通して、予想していた行動をとるユーザーがほとんどいないことに驚きました。
仮説で作成したジャーニーマップでは、一人ひとりがさまざまなページを見てサービスに納得していった上でコンバージョンすると考えていたのですが、もともとインタビューができるサービスと知っていて、資料請求や問い合わせを目的としてサイトを訪れるユーザーが多いことが分かりました。
また、各サービスにどんな特徴があるかわかりづらいという課題は、社内のメンバー間でも共通の認識で事前の仮説の通りでもあったので、各サービスの特徴がひと目でわかるような改善が必要なこともここで確かめることができました。
インタビューで確認した内容をもとに、ジャーニーマップの行動や、感情変遷を改めて整理し直しました。また、そこからサービスサイトの課題や、改善策についてもまとめていきました。
インタビューを踏まえたことで、より高い解像度のジャーニーマップに仕上げることができました。
例えば
インタビューの対象者探しに限界を感じてビザスクにたどり着く、というケースが多い
資料請求やお問い合わせなどの、コンバージョンをする前は活用事例ページがあまり見られない
導入事例は、コンバージョン後にサービス理解を深める目的で見られることが多い
自分の会社と似たような規模や業種の導入例を探したい
といった気づきを得て、ジャーニーマップに反映しました。
そして、これらは、生のお客様の思考や行動なので、その後デザインの判断に迷ったときの指針にすることができました。
ここまでで、ユーザー目線を踏まえ、サービスサイトの間違いなく改善すべき課題は見えてきましたが、一方で、今回のリニューアルにおいて、どこまでを改善範囲とするかは決められていない状態でした。
次は、今回のサービスサイトのリニューアルにおける改善範囲を決めていきます。
ビザスクのサービスを利用するユーザーの温度感を分類するために、マーケティングチームが主導して顕在層、準顕在層、準潜在層、潜在層というカテゴリを定めました。
全部の層に向けた施策はできないので、今回のリニューアルで対象とする層を整理していきました。
今回のリニューアルで、サービスプロモーションサイトが追いかける指標は「お問い合わせ数の増加」としていました。そのため、よりお問い合わせにつながる確度が高い顕在層、準顕在層、をメインターゲットとすることにしました。
逆に、準潜在層に対する改善は、優先度を下げることにしています。
また、潜在層には、サービスサイトなどではなく、そもそも別のアプローチをした方が良いと位置付けました。
ジャーニーマップや、インタビューを通して整理した課題や改善策の中で、今回定義した対象層に当てはまるものを改善範囲としてまとめていきました。
以下のような観点で、優先度をつけています。
サイトリニューアルの目的である、リード獲得に繋がるかどうか
メインの対象層である、顕在層 / 準顕在層 が求める改善かどうか
対象となる層や、改善範囲をもとに、デザインと実装を進めていき、最終的に2023年5月に、リニューアルされたサービスプロモーションサイトがリリースされました。
これまでのものと比較しても、対象となるお客様がしたい行動に合わせて、情報項目がスッキリとまとめられており、サービスごとの比較もしやすくなっています。
例えば、顕在層向けには、 サービスごとの特徴がすぐわかり、比較できるようにサービスの分類をまとめたセクションを用意しました。
また、準顕在層向けには、 本当に自社でも使えるかどうか判断できるように、自分の組織フェーズに合った、他社の導入事例が探せるような、検索機能をつけました。
一覧ページでは、「目的」「業種」「利用サービス」を事例のカードの中で整理して入れることで、その事例の大枠がわかるようにしました。
事例詳細ページについても、「課題〜アプローチ〜効果」をページ上部に掲載することで、「内容がひとめでわかりづらい」「求める情報が掲載されているかわかりづらい」という課題を解消しています。
サービスプロモーションサイトは、対象となるお客様や、それぞれの目的も多岐にわたるため、リニューアルにおいては「何のために / 誰のために、改善するのか?」を丁寧に整理するのがとても大切です。
今回、Webサイトを作る中でお客様にインタビューを実施し、制作する前にリサーチを綿密に行った結果、迷いなくリニューアルを進めることができました。
また、サービスプロモーションサイトを見るのはあくまでお客様なので、直接お客様の声を聞くことで、のちにデザインの判断に迷ったときにも指針とすることができました。
リリースは完了しましたが、今後も「お客様目線」を大切に、解析と改善を進めていきます。