エイチームコマーステックでデザイナーをしています、加能です💐
前回、Designshipで放映された、エイチームのブランドムービーの制作のプロセスをまとめてみました。
それ以来、社内で動画制作の依頼をいただくことも増え、私としても嬉しい限りです。
さて、エイチームコマーステックでは、「ココロが動く買い物を」をミッションにサービスを運営しています。
今回は、私たちが運営するペットフードブランド「Obremo」のクリスマスキャンペーンで、「ココロが動く」体験の実現にチャレンジした話をまとめました。
ペットフードブランド「Obremo」は、昨年の8月にリリースされたばかりの新規事業です。
3ヶ月でリリースした新規事業のデザインプロセス
リリースと同時にObremoは公式Instagramアカウントを開設しました。
運営開始間もないアカウントですが、ご縁に恵まれ、2021年11月時点では300名ほどのフォロワーが。
季節は冬、まもなくクリスマス!ということもあり、Obremo公式Instagramアカウントをフォローしてくださっている方向けに、日頃の感謝を込めて抽選でプレゼントが当たるクリスマスキャンペーンを企画しました。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002039.000001348.html
企画の進行に際して、体験設計や制作のディレクションを先輩デザイナーのるっきーさん、プレスリリース・SNS用の告知画像と、当選した方に送る当選報告クリエイティブの制作を私が担当しました。
また、当選者へプレゼント発送の際に送るポストカードをデザイナーの秋山さんに、告知準備にマーケメンバー1名に入っていただき、計4名で動きました。
今回「ココロが動く」体験の実現にチャレンジする上で、私たちは、意図した体験を提供できたかを振り返られるように、制作したクリエイティブが「シェアされる」かを1つ指標に置いて、企画・制作を進めました。
クリスマスキャンペーン全体の、カスタマージャーニーとタッチポイントを整理したものがこちらです。
その中で「当選通知を受け取ったとき」と「プレゼントを受け取ったとき」に「ココロが動く」を届けられるのではと考え、当選画像とポストカードを作ることになりました。
まずは私が担当した、当選者へのクリエイティブ制作についてお話しします。
キャンペーンに当選されたフォロワーさんが当選だと知った際に、「期待以上に嬉しくなる状態」とは何かを考えました。
そして「他の誰でもなく、自分のために届けられた当選通知であると感じてもらうことでより喜んでいただけるのでは」と仮説を立て、さっそく当選画像の制作に入りました。
当選画像をつくっていくなかで、「受け取った時のことを考えると、動画にしてプレゼントが開く演出だとよりワクワクするんじゃないかな」と思い始めます。
ちょうど、ブランドムービーなど動画制作に関わる場面も増えていたので、AfterEffectsをつかってサクッと動かして見ていただきました。
先輩デザイナーのるっきーさんから、「動画の方が当選したときの喜びや、どのプレゼントが当たるのか楽しみな気持ちを演出することができるのでは」と、そのまま動画でいくことに。
スケジュールも迫っていたので動画制作はなるべく簡単に、素材はFigmaで作成しました。
そして最終的に完成したものがこちら。
当選画像では、
- 当選者のInstagramのアカウント名を入れることで、「他の誰でもなく自分宛て」だと感じてもらえるようにする。
- 飽きないように、プレゼント箱の揺れる時間は短めに
- プレゼント開封時のわくわくは、白を使ってフラッシュのような演出に
- 動画だからこそ表現できる、背景の雪の動きを入れる
などを工夫しました。
また、動画をちゃんと観ていただけるように、InstagramのDMで送る文章も工夫しました。
何が届いたかを文章で記載しないことで、動画を観てもらう工夫を。
ただクリエイティブの表現力にこだわるだけでなく、当選されたフォロワーさんの気持ちを考えて”ひと工夫”を惜しまないことで、「ココロが動く」体験の実現に繋がっていくのではないか、と考えました。
同じように「ココロが動く」ことはなにかを考えて、プレゼントに同梱するポストカードにも工夫を施しました。
同じチームでイラストが得意な秋山さんが担当してくれたんですが、こちらはなんと「うちの子がいる」ことをコンセプトに制作されたポストカードになっています。
思わずシェアしたくなるポストカードとは何か、を考えた時に、Obremoからの届き物の中に自分の愛犬がいると、フォロワーさんは喜んでくれるのではないかというアイデアから作られました。
しかし、ポストカードのサイズの都合上、20人いる当選者全員分のわんちゃんをそれぞれ載せることはできないので、当選者が飼っているわんちゃんをリスト化し、見た目の近い犬種に分類しました。
そして、わんちゃんの特徴を押さえた上で、少し抽象的な表現にして、調整を加えていきます。
こちらは一例ですが、当初はジャックラッセルの印象が強めだったものを、耳の形や鼻の位置などを変更し、どちらにも見えるように工夫されています。
そして完成したものがこちら。8つのイラストで20種類のわんちゃんを再現しました。
ポストカードサイズという条件がある中でも、当選されたフォロワーさんに喜んでいただける“ひと工夫”ができたのではないかと思っています。
プレゼント発送後、結果として当選された方の6割が、Instagramでシェアしてくださる結果になりました。
ただ、当選動画は1名のシェアにとどまり、ポストカードも「うちの子だ!」と気づいた方が3名ほどと、当初の想定からは少し外れてしまいました。
今後、「ココロが動く」を実現していくにあたって、お客さまのより深い理解が不可欠であり、また、実現していく手段を既存のスキルで判断せずにもっと広い視野で考えていく必要があると感じました。
その上で、『お客さまの「ココロが動く」体験と自分の持っているスキルが噛み合うから、力の入れどころだ』という、テコ入れのしどころを見極めていけるといいなと思います。
まだまだ試行錯誤中ですが、今回の話が何かのお役に立てばうれしいです!