DMMデザイナーの伊藤とディレクターの松本です。 普段は所属本部のリーダーとして動きながら、DMMの全社横断組織の一員としてデザイン組織全体の組織づくりにも取り組んでいます。

今回は、縦横横断ハイブリッド型デザイン組織であるDMMで、デザインチームのメンバーが取り組んでいることを発信し、社内から相談が起こるようになる仕組みについて紹介したいと思います。

デザイナーからの社内への情報発信や、デザイナー間だけでなく他職種との繋がりをいかに生んでいくか検討されているデザイナーの方の参考になれば幸いです。

前回も紹介したように、DMMでは縦横ハイブリッド型のデザイン組織体制を採用しています。

全社横断・本部横断・事業所属の3つを組み合わせた組織構造

このような体制になる前は、デザイナーがそれぞれの事業部に所属する、縦割りの組織形態をとっていました。

縦割り組織形態になってしばらくは、各チームのデザイナーが行っていることが他チーム・他職種に伝わっておらず、うまく連携が起こらないという課題がありました。

例えば、社内メンバー目線ではデザイナーが何をやっているかわからないため、デザインが必要な時にも誰に相談したらいいか分からず、本来、事業やプロダクトの経緯を把握している社内デザイナーが対応すべき業務もパートナー企業様へ依頼されるような状況になっていました。

また、デザイナー同士でも交流が起こりづらく、業務を進める中でわからないことがあってもお互いに聞き合って業務を進めるようなことが起こりづらい状態になっていました。

その課題を解決するために、DMMでは横断的な取り組みでメンバーの活動を可視化する取り組みを始めています。

全社横断的に取り組んでいる4つの取り組み

DMMではテックカンパニーを目指す上での指針として「Tech Vision」を掲げているのですが、「当たり前を作り続ける」ための4つのTech Valueの1つに「Attractive(魅力的)」があります。

サービスの魅力を追求し高めていくこと、そしてそんなサービス開発に取り組む自組織の魅力を発見し発信・伝搬していこうという行動指針です。

デザイナーにも、デザインにどのように向き合い、どんな挑戦をしているのか自ら発信していくことが期待されています。

しかしながら、自ら主体的に発信していくことができるメンバーもいる一方で、当人の気質や業務・環境により、全員が意欲的に発信に取り組めているわけではないのが現状です。

自らのデザインへの挑戦や得られたことについて、発信することに対して少しでもハードルを低くすることができないか、という考えから、小さな機会を用意することにしました。

そこで始めたのが、より多くの社内関係者にデザイナーの活躍やスキルを知ってもらうためのイベント「デザイン座談会」です。

月1回開催している、デザイナーが自分の取り組みを紹介する全職種参加可能な「デザイン座談会」

「デザイン座談会」の発表者はデザイナーやディレクター中心となっていますが、リスナー参加者にはデザイナーだけでなく、エンジニアやプランナーなど様々な職種の方が参加してくれています。

参加している方からリアルタイムで質問や感想が届くようにしており、まるでDMMのデザイナーのファンコミュニティのような雰囲気で運営しています。

リアルタイムで質問や感想が届く、ファンコミュニティのような雰囲気

デザイン座談会に登壇してもらう人は運営から打診しています。

みんなが参加したくなるように「最近のトレンド」と「みんなが聞きたいこと」を意識したテーマを選定しつつ、隠れた社内の名プレーヤーや、チームの取り組みがまだ広まっていない比較的新しいチームなどを発掘していきます。

登壇者を依頼する時には、みんなが来たくなるようなテーマと、隠れたメンバーの発掘の両方を意識

月1回別々のメンバーに、社内向けに15分ほどLTを行ってもらっています。

現在、毎回20人くらいのメンバーが参加しています。Slackでも実況をしているので、直接参加できなくても後から内容を見返すことができます。

社内のSlackでも同時に実況、誰でも後から内容を見返すことができるように

「デザイン座談会」はまだま実験的な取り組みですが、すでに座談会をきっかけに社内のメンバーとデザイナーの連携が起こり始めています。

例えば、他職種の方から座談会後にLPのつくり方を聞かれるなど、これまで起こっていなかったデザインチームへの相談や依頼が増えています。

さらに、新しいプロジェクトを始めるときにも、登壇で話してくれた内容を踏まえてどういうことができそうな人なのかを知った上でコミュニケーションすることができるため、連携が取りやすくなるということが増えています。

多くの事業があり、そこに所属するデザイナー各々の活躍の共有がまだまだ足りない環境では、事業部を越えた連携をするために各メンバーが何ができるのかを社内に発信することが大切です。

そこで大事なのは、発信に慣れたメンバーばかりではないことを意識して、メンバーが安心して参加しやすい空間をつくることだと思っています。

メンバー同士で何ができるか知っていると心理的安全性もつくることができます。特に、リモートワーク環境だからこそデザイナーが発信しやすい環境を作っていきたいと思います。

今後もデザイナーから発信しやすくなる仕組みをつくって、社内の連携が生まれるきっかけを増やしていきたいです。

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