サイボウズ デザイン&リサーチグループでマネージャーをしている柴田です。
コロナ禍で、ほぼフルリモートでウェブ会議をしたり、1on1を繰り返している毎日です。
新しく入ってくるメンバーも含めてフルリモートになり、まだ一度も顔を合わせたことがない新入社員もいたりします。
そんな状況でもあり、今年に入ってからデザイナーのオンボーディングを最大限に強化しています。
新しく入社するメンバーには、必ず以下のようなオンボーディングガイドとともに、デザイン&リサーチのことを深く理解してもらってからチームへ加入してもらっています。
今回は、なぜ今サイボウズのデザイン&リサーチがオンボーディングを大事にしているのか、どのようにデザイナーのオンボーディングを行っているのかを、オンボーディングガイドを公開しながら、お伝えしていきます。
昨年ごろからコロナの影響もあり、フルリモートを行うメンバーも増えてきました。
新しく入社したメンバーにとっては、いきなりフルリモートで、他のメンバーのことを知らないまま仕事を進めるのは、なかなか大変です。
そのため、せっかくモチベーション高く入社してくれたのに、チームメンバーとの距離感がつかめずに孤独を感じてしまったり、逆に頑張りが裏目に出て浮いてしまったりと、ぽつぽつ課題が生まれてきました。
そこで、これまで暗黙的になっていたチームの文化や大事にしていること、行動指針などを再度言語化することにしました。
デザイン&リサーチ (D&R) に新しく入ってくる人だけではなく、既存メンバーに向けても伝わるように作っていきました。
そして、このガイドを説明し、新入社員には新卒・中途問わず、私が必ずオンボーディングの時間を取り仕事へのスムーズな接続に努めています。
オンボーディングの場では、以下のようなトピックを扱い、実際にこのガイドを見せながら、すり合わせを行っていきます。
まず最初はサイボウズの理念とD&Rの位置付けについて。
続いて、なぜオンボーディングの時間を取るのか、目的について新メンバーと一緒に確認していきます。
オンボーディングの目的は「新メンバーをチーム全体でサポートして、お互いの得意技を理解し合い、個性を発揮してもらう。」と伝えています。
D&Rでは、コードを書くデザイナーから、アクセシビリティエキスパート、ブランディングに関わるメンバーまで、非常に多様なスキルを持ったメンバーがいます。
お互いの得意分野を理解しあいながら、自分らしく個性を発揮してもらうように、相互理解の場としてオンボーディングを設定しているのです。
目的を揃えたら、チーム紹介も兼ねてD&Rが大事にしていることを説明していきます。
サイボウズ製品は日本ではもちろんのこと、海外でも使われており、アメリカや中国にユーザーリサーチで行くこともあります。(コロナ以前はリサーチのために弾丸出張をよく企画していました^^)
海外でのユーザーリサーチについてはこちらにまとめています。
また、いろいろな国のデザイナーや全盲エンジニアもD&Rに所属していたりと、多様なバックグラウンドに恵まれているため、さまざまな特性を尊重することも非常に大事にしています。
全盲エンジニアのSUGIさんとアクセシビリティについてはこちらにまとめています。
そして、サイボウズの風土として、オープンなコミュニケーションや正直に話すことを非常に重要視しています。
特に、わからないことがあれば、分報という個人のスペースですぐに聞いてもらうようにしています。
そして、D&Rでは育成を非常に大事にしており、長くメンバーが活躍できるように意識をしています。
もともと新メンバーにはメンターをつけていましたが、メンターだけでなくチーム全体で育成をしていくことを再度言葉にし、全員の意識を揃えていきました。
このように、当たり前だと思っていることも新たに言語化することで、新メンバーだけでなく、これまでのメンバーの意識も揃えられました。
ありがたいことに、新しく入ってくるメンバーはみなD&Rで働くことに高いモチベーションをもって入ってきてくれます。
その意気込みを、確実な行動に変えていくために、オンボーディングガイドの最後のセクションで「スムーズにチームや仕事に馴染むためのおすすめアクション = アクションアイテム」を紹介しています。
このオンボーディングの時間の後半は私柴田と新メンバーで雑談をして終わるのですが、相互理解を促すため、同様にメンバーとも雑談をするように促しています。
また、社内には育成のための仕組みやツールも整いつつあり、個性を発揮するために必要なスキルや道具を手に入れられるようになっています。
そして、D&Rでは「わかりやすく相手に伝えること」も非常に大切にしており、手を動かすことに加えて「理解や共感を得る」ことを自らやれるように、チームとしても支援しています。
加えて、B向け製品で触ったことがない人も多いため、製品の理解を徹底してもらうようにしています。
社内の情報共有ツールはkintoneを使っていますが、いろいろ製品を使ってもらいながら、理解を深めてもらいます。
マネジメントの視点では、1on1などを通して、新しいメンバーが普段触らないような機能の施策を任せるなど、理解を手助けするようにしています。
自分で気持ちよく働く環境をつくるように
少しボリューミーになってしまいましたが、これらが、現状のオンボーディングガイドのほとんど全てです。
そして、一通りガイドラインを見ながら対話をし、改めてチームへと歓迎します。
丁寧なオンボーディングを実施してからは、新入社員も既存メンバーも相互理解が深まり「お互いの共通の話題も見つかり、相談しやすくなった。」「いろいろ質問や相談がきて、自分を知ってもらえたようでうれしい。」など、フルリモートにも関わらず、心の距離感が入社早々からとても近くなったり、チーム内で自分が必要とされていることを感じてもらえたり、快適に業務をスタートしてもらえているようです。
D&Rでは、どのプロダクトを担当するか、どんな専門性を伸ばしていくのかも、自由に決められて、チーム異動も手をあげれば簡単に実現できます。
そのため、このオンボーディングを皮切りに、サイボウズの楽しみ方を知って、少しでも早く「自分で気持ちよく働ける環境」を見つけてもらえたらと思っています。
他にもD&Rについて知りたいことがあれば、ぜひ目安箱より教えていただければと思います。